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12月25日の大会3日目、昨日まで2会場で開催されていた「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」は、武蔵野の森総合スポーツプラザのみに変更。男子の部では4つのシード校が登場。第2試合には、福岡第一高校(福岡県)が北陸学院高校(石川県)との初戦に臨んだ。
インターハイで優勝し、大会連覇もかかる王者の登場に、観客席は3階席まで立ち見で埋まる。記者席、カメラエリアには報道陣が入りきらず、試合前のBコート周辺には異様な人だかりができていた。
多くの観客が見守るなかでスタートした第1クォーター、福岡第一は「みんな緊張していた」(井手口孝コーチ)と初戦の硬さが出て思うようなバスケットができず。対する北陸学院は、この10分間だけで5本の3ポイントをマーク。最初の10分間は22-23と北陸学院がリードして終えた。
それでも、第2クォーターに入ると河村勇輝、小川麻斗(ともに3年)の個人技、コンスタントに持ち味の堅守、速攻も飛びだしてリズムを作っていく。井手口コーチの「控えメンバーもなるべく全員出したかった」というプランもあり、メンバーチェンジを繰り返しながらも徐々に点差を広げた。終了間際には河村がゴール下で囲まれながらもシュートをねじこみ、前半終了時点で51-32と大差がついた。
第3クォーターでは開始から約6分の間、相手を無得点に抑えた福岡第一。第3クォーター終了時点で74-45とほぼ試合を決定づけると、最終スコア94-58で初戦を突破した。
「初戦が大事なのはわかっていましたが、入りから慎重になりすぎてプレーが硬くなってしまいました」と初戦を振り返った河村。しかし、スタッツだけに目を向ければ約30分間で30得点11リバウンドの“ダブルダブル”、5アシスト3スティールも挙げる活躍を見せた。
河村をはじめ、チームとしても満足のいく試合ができなかったかもしれない。しかし、「硬かったですけど、負けなかっただけよかった。まあ、高校生ですから」と指揮官は冷静に話す。
3回戦では九州学院高等学校(熊本県)との対戦が決まった福岡第一。チームを束ねる司令塔は、「このウインターカップは高校生活の集大成。成長できた部分を皆さんや井手口先生に見せられる大会なので、最後はしっかりとしたプレーをして終わりたいと思います」と意気込み、明日を見据えた。
文=小沼克年