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12月27日に「SoftBank ウインターカップ2022 令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の男子準々決勝が行われ、今大会のベスト4が決定。男子は福岡第一高校(福岡県)、開志国際高校(新潟県)、藤枝明誠高校(静岡県)、中部大学第一高校(愛知県)とトーナメントの角に位置する4校が準決勝へとコマを進めた。この顔ぶれは今夏のインターハイ4強と同じだが、冬の対戦カードは福岡第一と中部大第一、藤枝明誠と開志国際が激突。決勝行きをかけた28日の準決勝、まずは福岡第一vs中部大第一がティップオフ時刻の15時20分に先陣を切る。
ベスト8が踏み入れたメインコートでの戦いは、一層ハイレベルな戦いが繰り広げられた。
福岡第一の準々決勝は、前回のウインターカップ準決勝で敗れている帝京長岡高校(新潟県)と対戦。試合は30-19の福岡第一リードで前半が終了したが、第3クォーターに入ると轟琉維(3年)が3つのファウルを犯してファウルトラブルに。同クォーター終盤には帝京長岡に5点差まで詰められてしまう。しかし、ここでチームを救ったのは2年生ガードの崎濱秀斗。自身の連続得点で10点差に戻すと、チームは落ち着きを取り戻し、最後は15点差で振り切った。
準決勝進出後、井出口孝コーチはまだ対戦相手が決まっていない状況だったが、「明日はどちらのチームがきても、全体的なサイズの部分でうちがミスマッチになります。ボックスアウトを徹底して、みんなでリバウンドを取らないといけないです」とポイントを挙げた。
中部大第一は、執念の逆転勝利で福岡第一への挑戦権を手に入れた。洛南高校との準々決勝は、第4クォーター残り終了5分半の時点で11点ビハインドと劣勢に。しかし、ここから下山瑛司(3年)が2連続で3ポイントシュートを決めて反撃すると、残り26秒には小澤飛悠(3年)がゴール下からシュートをねじ込んで逆転。ディフェンスでは相手のミスにも助けられたものの、最後の5分間を無失点に抑える執念を見せ、73-71で激闘を制した。
「トーナメントは勝ち上がらないと意味がない。最悪のゲームをしても勝とう」という常田健コーチの言葉通り、チームは苦しみながらも準決勝の扉を開いた。福岡第一には真っ向勝負でぶつかっていく構えだ。「福岡第一さんは変化球を投げてくるチームではないので、真っ向勝負でくると思います。うちとしてはチャレンジャー精神で、いい試合をしたい」(常田コーチ)。
互いに強みとするチームスタイルは同じ。福岡第一と中部大第一による“第一対決”は、どちらの『堅守速攻』が上回るのか注目だ。
第3シードの藤枝明誠は、準々決勝で福岡大学附属大濠高校(福岡県)を破った。最終スコアは78-64。大会屈指の高さを誇る福大大濠に対し、藤枝明誠はボヌ ロードプリンス チノンソ(1年)が25リバウンドをもぎ取って対抗すると、攻めてはポイントガードの谷俊太朗(3年)が13アシストで攻撃を引っ張った。
さらには「自分は点を取ることが役割なので、そこを最初から最後まで徹底しました」と、赤間賢人(2年)が両チーム最多の28得点と爆発。頼れる2年生エースは、「今日の相手はサイズがあったのでミスマッチができてしまったんですけど、ボックスアウトを徹底して、そこから速攻に繋げられたのが良かったと思います」と勝因を挙げた。
前回覇者を退けて1つの山場を超えたが、目標はあくまでも「日本一」(赤間)。これまで同様、攻防両面でアグレッシブな姿勢を貫いて決勝の舞台に立てるか。開志国際との対戦でも高さで劣るため、引き続きチノンソの奮闘が必要不可欠になるだろう。
一方、第2シードの開志国際は東海大学付属諏訪高校(長野県)を圧倒。同校は創部初となるウインターカップのメインコートに立ったが、前半で44-18と引き離し、最終的に34点差をつけた。試合後、富樫英樹コーチは相手を57得点に抑えたディフェンス面を評価。特に警戒していた相手のアウトサイドシュートを封じ、3ポイントに至っては東海大諏訪の成功率を17.6パーセントに抑えたことが快勝に繋がった。
決勝進出を懸けた一戦へは、「明日はどちらが来てもリバウンド、特にディフェンスリバウンドがカギかな」と富樫英樹コーチ。介川アンソニー翔、武藤俊太朗(ともに3年)らが確実にリバウンドを拾い、藤枝明誠よりも速く、ダイナミックな攻撃を展開したい。
両チームともに勢いは十分。この流れを維持して決勝進出を決めるのはどちらか。藤枝明誠と開志国際による準決勝第2試合は、17時00分ティップオフ予定だ。
文=小沼克年