2022.11.03

【ホーバスHCへの推薦状 Vol.3】 津山尚大(島根スサノオマジック)「B1で最も評価を上げているロールプレーヤー」

ホーバスHCに推薦したい、今だからこそ日本代表に呼んでほしい選手。3人目は島根スサノオマジックの津山尚大[写真]=B.LEAGUE
球技ライター

10月21日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」 Window5の直前合宿に参加する男子日本代表のメンバーが発表された。選ばれたのは、いずれも過去にホーバスジャパン招集歴のある選手たち。陣容も固まりつつある印象の日本代表だが、まだまだBリーグにはトム・ホーバスHCに勧めたい選手が数多くいる。そこでバスケットボールキングでは企画名を「ホーバスHCへの推薦状」と銘打ち、B1開幕から特筆すべき活躍を示している選手のなかから厳選した選手を紹介する。

津山尚大島根スサノオマジック

生年月日:1996年4月16日(26歳)
ポジション・身長:PG/SG・180センチ

 島根スサノオマジックが昨シーズンに引き続くチャンピオンシップ進出に向けて、好スタートを切っている。2022-23シーズンはポール・ヘナレHCが就任して2シーズン目。金丸晃輔三遠ネオフェニックスに移籍したものの、安藤誓哉ペリン・ビュフォードリード・トラビスニック・ケイ、ウィリアムス・ニカ、白濱僚祐といった主力はおおよそ残留している。戦術的な積み上げもあり、選手が活発に動き回る“バズソー・スタイル”はさらなる進化を遂げそうだ。

 津山尚大はそんなチームの新戦力として、早くも欠かせない存在になっている。福岡大学附属大濠高校から高卒で琉球ゴールデンキングスに進み、ライジングゼファー福岡アルバルク東京三遠ネオフェニックスとB1クラブでキャリアを積んできた26歳のPGだ。

 彼は島根に驚くほどフィットし、その強みを表現している。今シーズンのプレータイムは1試合平均で33分22秒。B1の「出場時間ランキング」を見ると、津山は全体の6位につけている。(※記録は10月28日現在)

 ヘナレHCは津山をこう評価する。

「非常に努力家で、コーチを素直に受け入れてくれる、非常に良い選手だと思ってます。DFで頑張りますし、ピック&ロールから繰り返し攻めてくれますし、フロアを駆け回ってくれる。必要な時間帯に、必要な貢献をしてくれています。非常にいい加入だったと思っています」

 島根には安藤、ビュフォートというB1でも屈指のハンドラーがいる。津山も本来はポイントガードで、彼もハンドラーとして自ら攻めて試合を作れる選手だ。ただ島根では安藤やビュフォードと共存して“それ以外”の役割をしっかり担っている。

 ニュージーランド出身の名将はこう口にする。

「彼も我々のピック&ロールプレーヤーの1人ですけど、(島根のオフェンスは)ビュフォードと(安藤)誓哉にボールが経由することが多い。ショウタがスペースを取りながら、オープンショットを決めてくれるところは大きい」

 今シーズンの津山は3ポイントシュートの成功率が40.3パーセントを記録している。コート内をいいタイミング、良い判断で動いて仲間のスペースを作りつつ、キャッチ&シュートを高確率で決める――。そんなシューターの存在はオフェンス面で大きく、今季の津山は1試合平均で11.1得点を記録している。

 津山は自身の役割をこう説明する。

「自分のなかで今シーズンの大きなテーマにしているのはディフェンスです。誓哉さんもペリン(ビュフォード)もいますので、その2人はツーガードでやってる間はしっかりディフェンスに集中する。少し疲れてるとき、シューターに回したいときは、僕が一番(ポイントガード)をしながらバランスを取っていく。そこをしっかり理解した上で今はできています」

 津山は180センチ・85キロの逞しい体格を持ち、外国籍のウイングプレーヤーやガードに競り負けない守備の力強さがある。迫力のあるドライブ、高確率の3ポイントシュートといった強みも持ちつつ、他の選手を引き立てるロールプレーヤーとして台頭している。今シーズンのB1のなかで、おそらく最も評価を上げている男だ。

文=大島和人

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