2024.09.21

河村勇輝がメンフィスに向けて出発…「自信はもちろんあります。自信をプレーに生かしたい」

渡米を前にメディア対応した河村勇輝
バスケットボールキング編集部

 NBA入りを目指す河村勇輝が、9月21日、羽田空港からアメリカに向かって旅立った。メンフィス・グリズリーズとエグジビット10契約を結んでいる河村は同チームのキャンプに参加することになっている。

 出発を前にメディア対応した河村は、前日もぐっすり眠れたそうで、自身のバスケキャリアにとっての大一番を前に、いつもと同様に落ち着いた表情を見せていた。現在の心境を聞かれて、「すごいワクワクしてます。緊張はもちろんしていますが、キャンプでプレーできるのは光栄なことですし、いい経験になると思いますので楽しみです」と笑顔を見せた。

 今回は通訳は付けずに1人で現地に入るという。

「この挑戦は修行だと思っているので、本当に1人で大変なことだったり苦しいことを乗り越えることに意味があるなと思っています。特にバスケットボールというスポーツはその性格上、コミュニケーションがすごく大切なので、通訳を付けてしまうと自分の語学力の上達スピードに落ちてしまうかもしれません。これまで日本では素晴らしい環境でプレーしてきて、プレー以外の部分でも支えてもらっていたので、そんな甘えの部分も含めて、このアメリカではいろんなことに自立してやっていくのが目標です。そうすることで、バスケがうまくなるように、また人間として一回りも二回りも成長できるように、アメリカに行っていろんなことに揉まれながら成長できればいいなと思っています」

 キャンプでアピールしたいことについては聞かれると、「グリズリーズにはアンセルフィッシュ、プレーメイキング、パスの部分を評価していただいているので、それらをよりレベル高くアピールできればチームの構想に入っていけると思っています。そこはぶらさずにやっていきたい」と、あくまでも自然体だ。

 夢の舞台で対戦したいのはパリオリンピックで一緒に日の丸を付けて戦った、八村塁富永啓生のチームメートの名前を真っ先に挙げた河村。

「これまで日本でずっとプレーしてきて、日本で培ったものが世界でも通用することを証明したいです。将来、『子どもたちが日本にいてもNBAを目指せる』、逆に『海外に早く行ったほうがいい』かなど、選択肢が増えるような結果で終わればいいなと。そのためにも僕がNBAのコートに立つことが絶対に必要だと思います」と前を向いた。

「自信はもちろんあります。自信をプレーに生かしたいと思います。NBAのコートに立つイメージが出来ていますが、実際にアメリカで英語や生活の部分で大変なこともあると思います。それを含めて、バスケへの挑戦を通じて、人としてより大きく成長できるように頑張ります」

 河村はこれまでも周囲の評価をさらに上回る活躍を見せて、Bリーグ、ワールドカップ、オリンピックで活躍をした。今度は自身の夢の舞台、NBAのコートに立つことを目指して旅立つ。どんな困難が待ち受けているのかもしれないが、それも河村にとっては成長できる糧となるはずだ。

終始、落ち着いた表情を見せていた河村

文=入江美紀雄

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