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テリー・ロジアーの賭博疑惑に新展開…「本人には言うな」のメッセージが事件を覆すか

2025年12月に出廷したロジアー[写真]=Getty Images

■「賭けを知らなかった」弁護側の切り札となるメッセージ

 テリー・ロジアーを巡るスポーツ賭博事件で、裁判の行方を左右しかねないテキストメッセージが浮上した。弁護側は「事件を終わらせるべき証拠」と主張。一方、検察は賭博とは無関係のやり取りだと反論している。

 ロジアーの弁護士は8月1日(現地時間7月31日)、同選手が問われている4つの連邦罪状のうち、スポーツ贈収賄と誠実サービス詐欺共謀の2件について棄却を申し立てた。

 新たな材料となったのは、問題の試合から6日後の2023年3月29日、ロジアーの友人で共同被告のデニロ・ラスターが別の人物へ送ったメッセージである。そこには、ロジアーの愛称を用いて、「chumには賭けのことを言うな」という趣旨の文面が残されていたという。

 この証拠を用いて、弁護側は反撃に出た。「賭けのために情報を売ったロジアーに、その賭けを隠す必要はない」と主張し、ロジアーは自身の成績を対象とした賭博を知らず、プレーを操作する合意にも加わっていなかったというのだ。これに対し検察は、複数の情報源から「このメッセージがスポーツ賭博を指したものではないことを示す証拠を得ている」と反論。文面だけではなく、前後の会話や送信相手、金銭の流れを含む文脈が焦点となる見込みだ。

■約20万ドル超の賭け…事件はどう始まったのか

[写真]=Getty Images


 事件の発端を振り返っておこう。ロジアーがシャーロット・ホーネッツに所属していた2023年3月、検察はロジアーが早期退場する予定をラスターへ伝え、仲間が得点やアシストなどの「アンダー」に20万ドル(約3100万円)以上を賭けたと主張。結果的に、ロジアーは約9分でコートを去り、多くの賭けが的中したとされている。アメリカ司法省は当初、試合後にラスターがロジアー宅を訪れ、利益を一緒に数えたとも主張していた。なお、いずれも検察側の申し立てであり、ロジアーは一貫して関与を否定している。

 NBAも当時の不自然な賭けを調査したが、リーグ規則違反を認定するには至らなかった。その後、捜査権限を持つ連邦当局が事件化し、ロジアーは2025年10月に逮捕。通信詐欺と資金洗浄の共謀罪について無罪を主張したが、2026年5月、早期退場の見返りとして10万ドル(約1600万円)を受け取ることに合意したとの主張に基づき、スポーツ贈収賄と誠実サービス詐欺共謀が追加された。

 弁護側は証拠だけでなく、法律の適用範囲にも異議を唱えている。スポーツ贈収賄を禁じる連邦法は試合の結果やスコアの操作を対象としており、個人スタッツを扱うプロップベットには適用できないとの主張。残る2罪状の棄却に加え、審理をニューヨークからフロリダへ移すことも要求しているという。

■争点は「賭けを知っていたか」…裁判の行方は

[写真]=Getty Images


 NBAを巡る賭博捜査はロジアーだけにとどまらない。ジョンテイ・ポーターは賭博への関与を認めて通信詐欺共謀罪で有罪答弁し、NBAから永久追放された。現在は量刑を待ちながら、独立リーグUSBL(United States Basketball League)で競技に復帰している。

 さらに、6月にはマリク・ビーズリーと、元NBA選手のエド・デイビスらも起訴。検察は、ビーズリーが2024年の複数試合で自身の成績を操作し、見返りとして賭博上の負債を減免されたと主張している。一方、チャウンシー・ビラップスは別の不正ポーカー事件で無罪を主張しており、NBAから無期限の職務離脱措置を受けている。

 ロジアーの公判は、デイモン・ジョーンズ、シェーン・ヘネンとともに2027年2月8日に始まる予定だ。今回の一文が本当に賭博を指すものなら、検察が描く共謀罪の構図は大きく揺らぐ。しかし、これが別の賭けや会話を意味するものなら、弁護側の決定打にはならない。

 2023年3月の試合から始まった疑惑は、ロジアーが不正を「実行したか」だけでなく、そもそも賭けの存在を「知っていたか」を争う局面に突入した。

文=Meiji

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