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8月8日、照葉積水ハウスアリーナで「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」の男子準決勝が行われ、シード校の東山高校(京都府)と地元の福岡第一高校(福岡県)が対戦。昨年のインターハイでも準決勝で顔を合わせた同校だが、その際は東山が93−75で勝利した。
迎えた今日の準決勝、序盤から激しいディフェンスで主導権を握ったのは福岡第一だった。エースで司令塔の瀬川琉久(3年)を徹底マークして東山の得点を抑えた。第1クォーターを17−8とリードを奪うことに成功するが、東山も粘りを見せて福岡第一に食らいついていく。
29−25で折り返した後半、東山が反撃に出る。福岡第一のディフェンスの圧は下がっていないように見えたが、それに対して東山が次第に対応。反対に福岡第一の足に陰りが見え始めた。すると佐藤凪(2年)が怒涛の攻撃を見せて逆転に成功した。その後、ジリジリとリードを広げた東山を福岡第一が捉えることをできず、52−68で敗退。地元開催のインターハイで最終日を前に姿を消すこととなった。
試合後、取材した福岡第一の井手口孝コーチは「最後まで集中力が続かなかったですね」と悔しさをにじませた。「大事な場面でシュートを落としてしまったし、後半、足が止まってしまった」と敗因に言及。「(8月末には)日清U18トップリーグが始まりますが、試してみたい1年生もいるので、それも含めて鍛え直してきます。特に外角のシュートの精度を上げたい」と強化のポイントを語った。
この試合で東山の瀬川とマッチアップした八田滉仁(3年)は、世代屈指の司令塔に対して、オールコートでプレッシャーをかけ続けた。その八田は「率直に言えば悔しいの一言です。前半は守れたと思うのですが、大事なところで集中力が切れてしまいました。そこを見逃さず相手は決めてきたので自分たちの力不足だったと思います」と、試合を振り返った。
地元でインターハイを迎えられるのは誰もが経験できるものではない。キャプテンでもある八田は、「多くの皆さんにたくさんの応援をしていただきました。感謝の気持ちでいっぱいです。残念ながら今回は達成できませんでしたが、ウインターカップでは日本一の報告ができるように頑張ります」と前を向いた。
井手口コーチが指摘したシュートの確率について、八田も同様な感想を持ったという。それを解消するには「もっともっと練習しなければいけないんだと思いました。練習の取り組み方も覚悟を持って臨みます」と、自身の練習への向き合い方や姿勢についても改めなければいけないと誓った。
「去年は(崎濱)秀斗さんというスーパースターがいましたが、今年はそうではありません。だからチームで戦っていきます」と、課題を得て、チームの方向性を確認できたこの敗戦を冬に向けての糧にするのは自分たち次第だ。
文=入江美紀雄