2020.02.06
5月11日に横浜アリーナで行われた「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2018-19」(以降CS)のファイナル。Bリーグ開幕から3シーズンの中で歴代最高となる52勝8敗を残した千葉ジェッツは、CSに入ってからも富山グラウジーズ(クォーターファイナル)と栃木ブレックス(セミファイナル)を相手に無傷で勝ち上がり、意気揚々とアルバルク東京との頂上決戦を迎えた。
秋田ノーザンハピネッツから今季千葉へ加入した田口成浩は、CSに入ってから好調をキープ。持ち味の3ポイントを効果的に沈めており、直近4試合のうち3試合で2ケタ得点を記録。「CSに入ってから、ちょっとずつ自分のいいところが出つつありましたので、CSの決勝も『やってやる』という気持ちがありました」と意気込んでいた。
15-16と1点ビハインドで迎えた第2クォーター。西村文男のアシストから田口がクイックリリースで3ポイントを沈めると、千葉が18-16と逆転。その後もたたみかけるように田口が放ったショットは面白いようにリングへと吸い込まれ、このクォーターだけで田口は4本の3ポイント成功を含む14得点を奪取。
おいさーが止まらない!!
千葉#5 田口の連続3PシュートでA東京を突き放す👌@CHIBAJETS @shigeoisa_5📡NHK総合(地上波)/バスケットLIVEで生放送中!#Bリーグファイナル #新時代の頂へ #Bリーグ pic.twitter.com/uWwD0LX3DG
— B.LEAGUE(Bリーグ) (@B_LEAGUE) May 11, 2019
前半を終えて33-35と2点ビハインドではあったものの、僅差のゲームを展開できた要因の1つは、この男の活躍だったことは間違いない。
ところが、第3クォーターで千葉は12-29とA東京に突き放されてしまう。「意思疎通ができていなかったこと。そういったところがちょっとズレになって、そのズレを見逃さなかったA東京が確率良くシュートを決めていました」と田口はこの10分間を振り返る。また、球際の争いでボールを奪われ、そこから失点につながったことも点差を広げられた要因に挙げていた。
それでも、千葉は45-64と19点ビハインドで迎えた最終クォーターに巻き返し、リーグトップの戦績を誇るチームとして、悲願の初優勝を成し遂げるべく奮闘。残り27秒に富樫勇樹の3ポイントで2点差まで追い上げたものの、最後は67-71でA東京の前に力尽きた。
田口はギャビン・エドワーズ(20得点8リバウンド2ブロック)、富樫(19得点6アシスト)に次ぐチーム3位の14得点に3アシストを記録。だが得点は第2クォーターのみで、優勝を勝ち取ることはできず。初のファイナルを終えて「緊張というのはほぼなかったと思うんですけど、緊張感の中で自分は『最高のお祭りだ』と言ってましたんで。その祭りを最高の形で終われなかったことが悔しいです」と田口。
この試合のA東京はレギュラーシーズンの時と何か違いがあったのかと聞かれると、田口は「アルバルクさんが違うというよりかは、自分たちがちょっと重かった、いつもの生き生きした感じのプレーではなかったのかな、と全体的に感じました。それはこういう最高の舞台というのもあると思いますし、自分たちがちょっと違ったのかなって思います」と自身が感じたファイナルを明かした。
とはいえ、「自分を成長させたい」という思いでポジション争いが激しい千葉へ加入した田口は、シーズン全体をポジティブに総括している。
「個人的には、ファイナルでシュートを決めることができましたし、コートに立てたということ、そういったところには満足してます。ただ、簡単にこのような結果になったというのは違うんで。やっぱり最初の、試合に出れなかった時とか、そういった悔しさなどを経験してきましたので、それに対してめげずに腐らずにやってきたことがこの結果になったと思います。これを継続して、またやっていきたいと思います」。
自慢のシュート力に加えて、気持ちでディフェンスに取り組む田口のプレーには、観ている者の心を揺さぶるほどの熱が込められている。田口がショットを決めた瞬間の盛り上がりは、本人のシャウトと共に大きなインパクトを与えており、それは会場で見てなくとも、画面越しでも感じとることができるはず。
ファイナルで敗れたことで、来季また一から頂点を目指すこととなるのだが、田口は「自分は何度転んでも立ち上がるだけですので、また立ち上がってやるべきことをやってきたいと思ってます」と口にし、来季に向けて切り替えようとする姿勢を見せた。
そして今後に向けて、ステップアップするために田口が掲げたのは、「やはりもっともっとディフェンス力を上げて、常に安定したディフェンスができるように、信頼を勝ち取ること」。そのために「やっぱりトレーニングもそうですし、ファンダメンタルのところを鍛えて、『自分には何が足りないのか、何がへたくそなのか』、それをしっかり自分自身で見つめなおしていきます」と語った。
新たな環境に身を置いた今季、田口は徐々にプレータイムを勝ち取り、CSという大舞台でも個人として結果を残してみせた。オフの期間を有効に活用し、来季はさらに成長した姿をコート上で見てみたい。
文=秋山裕之
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