2026.08.17
アディダス ジャパンとのパートナーシップ契約締結、ブランドアンバサダー就任という大きな知らせとともに、河村勇輝が日本へ帰ってきた。アメリカでの挑戦のさなかに一時帰国し、7月29日にはイベント『MEET YUKI』に出演。ファンや子どもたちとの交流を楽しんだ。
河村にとって、今シーズンは渡米前に掲げた“3年計画”の節目となる3年目。アディダスとともに歩み始める勝負の一年を前に、着用シューズやシグネチャーシューズの夢、世界最高峰のアメリカのプロバスケットボールリーグ本契約を見据えた現在地、そして自身を律して挑戦し続ける原動力を語ってくれた。
インタビュー=藤田皓己(バスケットボールキング編集部)
写真=須田康暉
――久々に日本の子どもたちやファンの方々と触れ合う機会だったかと思います。河村選手にとって、どのような時間でしたか。
河村 リフレッシュできる時間でした。ずっとアメリカにいて、2年間は日本で試合をしていないので、こういったファンの皆さんと触れ合える機会、また子どもたちと触れ合える機会というのは、僕自身にとって学ぶことだったり、気付かされることもあって、すごくいい時間になります。
――契約する前のアディダスには、どのようなブランドイメージを持っていましたか?
河村 世界のトッププレーヤーが契約しているというのもありますし、日本国内だけではなく、世界的に大きなブランドだと感じていました。
――イベントでは、着用するシューズ「Crazy Energy Japan」のフィット感や強さについてお話しされていましたが、具体的にどのような部分に「強さ」を感じますか?
河村 踏ん張ったときにしっかり支えられている感覚や、蹴り出すときも一体となって動いてくれる感覚があり、シューズのサポートを感じられています。アメリカに行ってから大きな選手と戦うことが増えたので、そういうときに足元を強く支えてくれるのが、このシューズかなというふうに思っています。ローカットでありながら、しっかりと足首にフィットしてくれる感触もあって、足首のケガに対する不安もなく、安心してプレーできるかなというふうに思っています。

[写真]=須田康暉
――実際にサマーリーグやワークアウトで履いてみて、シューズに対する印象は変わりましたか?
河村 かなりタフだなと思いました。激しい練習だったり、激しいワークアウトを何時間も連続で続けたとしても、“新品の状態”が続いているような感覚で、そういった意味での強さも兼ね備えているのかなというふうに思います。
――これまでも、プロバスケットボール選手として、次世代の子どもたちへの思いを口にされてきました。アディダスと契約して、どのような姿を見せていきたいですか?
河村 常に新たなチャレンジをしていく姿を見てもらいたいなと思います。アディダスファミリーの一員になること、また世界最高峰のリーグに飛び込んでいくということも、自分にとっては一つのチャレンジです。僕は自分自身が体験したことや行動を通して、チャレンジすることの大切さ、新しい世界に飛び込むことの大切さを伝えていければいいなと思っています。ぜひ子どもたちにも、僕の姿を照らし合わせたりしながら、自分の目標に向かって挑戦してもらいたいという風に思っています。
――もしアディダスが河村選手の願いを何でも叶えてくれるとしたら、何をお願いしたいですか?
河村 そうですね…なんだろう。やっぱりバスケットボールを始めてから、自分のシグネチャーシューズを持つということは一つの夢でもあったので、そういったところを一緒に叶えてくれたらうれしいな、というふうには思っています。
――アディダスファミリーとの交流もできそうですね。楽しみにしていることはありますか?
河村 アンソニー・エドワーズ選手だったり、ドノバン・ミッチェル選手だったり、ジェームズ・ハーデン選手だったり、トッププレーヤーたちとワークアウトできるということは、何ものにも代えがたい経験だと思っています。
そういった選手たちとワークアウトできる機会があるのであれば、すごく楽しみですし、ワークアウトでなくてもイベントを通して交流したりすることも楽しみにしています。
――アディダスのスリーストライプス(3本線)にかけまして、河村選手が日本にいる間にしたい「3つのこと」を教えてください。
河村 まず1つ目は、やっぱりバスケットボールの練習ですね。トレーニングだったり、シューティングだったり、バスケットボールは必ずやりたいです。今の自分がやらなければいけないことだと思っているので、そこを中心に置いています。
2つ目は日本食です。和食が大好きなので、アメリカにある日本食スーパーだったり、日本食レストランとはまた違う、日本での食事は大切にしたいなというふうに思っています。
3つ目は、家族や友人との時間です。ずっとアメリカにいて、一人で渡米しているので、家族や知り合いの方、お世話になっている指導者の皆さん、友人と過ごす時間は大切にしたいです。ファンの皆さんだったり、子どもたちと触れ合える機会を作っていくことも大事かなと思っています。

[写真]=須田康暉
――同じくスリーストライプスにちなんで、好きな色を3つ、選んだ理由も教えてください。
河村 白、黒…そうですね。難しいな。あとは緑が好きかなというふうに思います。
僕はシンプルなものが好きで、服装を決めるときやシューズを選ぶときも、白や黒、モノクロのものを着ることが多いので、それで白と黒を選びました。
緑は、小さい頃から所属してきたバスケットボールチームに縁のある色なので選びました。小学校のチームも、中学校、高校も、チームカラーが緑でした。あとは、山だったり、森林浴みたいなことも好きですね。4月、5月の新緑の時期は見ていてすごく癒やされます。
――このオフにも自然には触れられましたか?
河村 サマーリーグが終わってからは、まだできていないんですけど、シーズンが終わった後に山口県の実家へ帰る機会がありました。実家の周りには、きれいな森だったり、山だったり、木々があるので、その景色を見ることができました。
――アメリカ挑戦を表明されたタイミングで“3年計画”についてお話しされていましたが、今シーズンはその3年目にあたります。ご自身の現在地をどのように分析していますか?
河村 1年目、2年目と、しっかり2Way契約でプレーさせてもらったので、この2年間の経験は必ず3年目に生きてくると思っています。ただ、自分にできることと、課題としていること。その2つがしっかりと明確になっています。できることはしっかり伸ばしつつ、課題として挙げられることには、この夏にしっかり取り組みながら克服していく、そこをしっかりクリアすることができれば、必ず本契約という目標を達成できると思っています。自分としては、すごくいいステップアップができているなというふうに感じています。

[写真]=須田康暉
――ご自身を律して挑戦し続けるストイックなマインドの源泉は、どこにありますか?
河村 小学校4年生の頃に大事な試合で負けてしまった経験がきっかけです。
小学校2年生からバスケットボールを始めたんですけど、4年生の頃までの2年間は、ほとんど遊びといいますか、あまり試合の結果も気にせず楽しくバスケットボールをやっていました。
ただ、試合へ出させてもらうようになった4年生の頃に大事な試合で負けてしまって、「もっと練習しておけばよかったな」「練習しておけば勝てたのかな」という悔しい思いをしました。あの経験から後悔したくないなと。結果がどうであれ、試合までしっかり頑張りたいなという気持ちで、チーム練習だけではなく、個人練習も始めるようになりました。
個人練習やワークアウトをすると、その分ちゃんと結果が出るようになり、「練習することって大切なんだ」と気付けましたし、たとえ結果が出なかったとしても、試合後に満足感や達成感があることにも気付きました。その経験から、毎日自分を律しながら、目標に向かって練習に取り組んでいくというルーティンができたのかなと思います。
――この夏もチャレンジの日々が続いていますが、何か後悔したことはありますか?
河村 ないですね。これまで自分の中でやれることはやって、しっかり練習してきたので、後悔はないです。これからも後悔しない生き方というものを自分の中に持ちながら、毎日を過ごしていきたいなと思っています。

[写真]=須田康暉
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