57分前

応募者殺到のBLACK SAMURAI「実力でのし上がる選手を見たい」八村の声もありトライアウト開催

[写真]=株式会社One Bright KOBE
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 八村塁が主宰する次世代育成プロジェクト「BLACK SAMURAI」が、8月4日と5日に神戸に初上陸。GLION ARENA KOBEで『Daiichi Life Group PRESENTS BLACK SAMURAI KOBE CAMP』と題して開催された。

 その参加者選考の一環として実施されたのが、兵庫県在住の中高生を対象としたトライアウト「Daiichi Life Group Presents BLACK SAMURAI KOBE CAMP TRYOUT in KOBE」。書類・動画選考を通過した中高生が1on1で競い合い、実力で勝ち上がった4名と神戸ストークス推薦枠2名の計6名がKOBE CAMPへの参加権を獲得した。

 なぜトライアウトという形式を取り入れたのか。BLACK SAMURAIの統括プロデューサー・加藤優貴氏と、神戸ストークスのゼネラルマネージャー・九里大和氏に、神戸開催の背景や選考に込めた狙い、育成年代へ託す思いを聞いた。

インタビュー=藤田皓己(バスケットボールキング編集部)

※本インタビューは『Daiichi Life Group PRESENTS BLACK SAMURAI KOBE CAMP』開催前に実施

■地元クラブとつくる“世界を知る場”

[写真]=株式会社One Bright KOBE


――今回の取り組みが神戸で開催されることについて、九里GMはどのような意味を感じていましたか。

九里 本当に八村塁選手が神戸を選んでくれたことにすごく感謝していますし、すごく楽しみにしています。私は八村塁選手と同じ富山県出身なので、そういったつながりがある中、塁選手と同じく富山を盛り上げたい、地方のバスケットボールを盛り上げていきたいという気持ちが強いです。今回の取り組みができることは非常にうれしく思いますし、塁選手と一緒に取り組めることもうれしく思っています。

加藤 神戸ストークスさんのスタッフの皆さんとは、かなり密に連携させていただいています。八村は、東京だけではなく、地方でこうしたイベントをやりたいというタイプなんですよ。その理由としては、行く先々で出会うスタッフやコーチの方々にも、八村やフィル・ハンディがやっているようなメニューを共有したいという思いがあります。まだ調整中ではありますが、去年の「BLACK SAMURAI 2025 THE CAMP」との違いで言うと、より一層地元クラブと連携していくことになります。

――九里GMは、神戸ストークスBLACK SAMURAIに関わることを、どのように捉えていますか。

九里 八村塁選手やフィル・ハンディコーチを通じて“世界を知る”ということは、クラブにとって本当に貴重な機会だと思っています。この夏、僕もNBAサマーリーグを視察してきたのですが、日本とは大きな差を感じました。正直まだまだ日本はアメリカに勝てないなということを、全てにおいて見せつけられました。日本のバスケットボールを強くしなければいけないというのは、バスケットボール関係者である私の責務だとも思っています。世界を知る場が目の前にあるので、クラブ全体としてBLACK SAMURAIに関わって、いい刺激になればいいなと考えています。

■「待っていても何も得られない」トライアウトに込めた狙い

[写真]=株式会社One Bright KOBE


――このキャンプから参加者に吸収してほしいことや、今後どのように成長していってほしいかを教えてください。

九里 日本では機会を与えられることも多いですが、待っていても何も得られない。自分からつかみに行って欲しいなと思っています。今回のキャンプでいえば、応募することもそうですし、実際にトライアウトでアピールして勝ち上がっていくこともそうです。やっぱり、自分からつかみに行く、チャンスを求めに行くという第一歩が重要だと思っています。

それと競争心ですね。「絶対に自分は負けない」というハングリーな選手は、正直、まだまだ日本には少ないかなと思っています。そういうハングリーな姿勢を、今回参加する育成年代の子たちに感じてもらえたらうれしいです。

――今回、キャンプ参加者を選ぶにあたり、書類選考や映像選考だけでなく、実際にプレーを見るトライアウトを設けた理由を教えてください。

加藤 去年は本当に膨大な数の応募が来ていて、もちろん映像越しでも魅力が伝わってくる凄いプレーヤーがたくさんいたんですけど、八村から「ハングリーで、実力でのし上がってくる子も見たい」という話がありました。

そこで、何ができるのか神戸ストークスさんと相談したところ、神戸市にもご協力いただき、兵庫県在住の方限定でトライアウトを行おうという形で進んでいきました。トライアウト開催に際しては、書類審査を通過した50人ほどが参加しました。1on1で勝ち上がった中学・高校の男女各2名と、ストークス推薦枠2名の合計6名が、「Daiichi Life Group PRESENTS BLACK SAMURAI KOBE CAMP」への参加権を手にしました。

――実際にトライアウトをご覧になっていかがでしたか。

加藤 僕と八村は映像を通して確認しましたが、今の子たちは本当にスキルがありますね。スピンムーブをやったりしている姿を見て、八村も「すごい!上手いな」「この子いいじゃないですか」と言っていましたよ。

九里 ストークス推薦枠を用意していただいたので、僕は現地ですべて見ました。各カテゴリーで1位になった子以外にも、ストークス枠としてBLACK SAMURAIのコンセプトに合った選手を中学生、高校生から1人ずつ、「この子は面白いな」と感じた子を選ばせてもらいました。参加者の中には、ストークスへ誘いたい選手もいましたね。

大きな夢を持つことや、世界を見据える視野というのは、兵庫県の子たちにとって、なかなか難しい部分もあると思っていました。それでも、BLACK SAMURAIが大事にしていることの中に「一生懸命を楽しむ心」ということもあったので、そういった目線で選手たちのプレーを見ていました。僕は富山出身なので、なかなか日の目が当たらない、地方ならではの難しさも理解しているつもりです。今回はそういった視点からも、大舞台を楽しみながら一生懸命にプレーできる“BLACK SAMURAIな逸材”を選んだつもりでいます。

――今回のトライアウトは、参加権を得られなかった選手にとっても貴重な機会になったのではないでしょうか。

加藤 まず参加するというところに「自分から行ってやろう」という心構えを感じて、僕としてもすごく感化されました。競争するということは、子どもたちにも常にやっていってほしいと思いますし、勝っても負けても、自分の現在地がわかる機会を、我々のコンセプトのもとで実施できたことは、すごくうれしいなと思っています。

九里 この年代の子たちは、これほどヒリヒリする1on1をやったことがないと思うんですよ。普段はふざけながら1on1をやることも多いと思うんですけど、今回はKOBE CAMPに出られるか、出られないかを懸けた戦いです。一瞬一瞬、一つのドリブルだけでも、かなり普段とは違う集中力を使っていたと思うので、本当にいい刺激になったんじゃないかなと思っています。

■神戸から名古屋へ…一度は消えた“挑戦権”が復活

[写真]=株式会社One Bright KOBE


――「神戸で活躍した選手を名古屋に招待する」というフォーマットは、八村選手ご本人に一度却下されたと伺いました。今回はその案が復活して、KOBE CAMPの1on1トーナメント男子優勝者がSUMMITに参加できることになりましたね。

加藤 はい、復活しました。良い方法があれば柔軟にアップデートしていく、まさに“BLACK SAMURAI流”ですね(笑)。BLACK SAMURAI SUMMIT 2026の選抜について、どういう形がいいのか、八村と打ち合わせをしました。今年はU18日本代表の合宿とコラボレーションすることになったのですが、SUMMITの参加メンバーをどうするかとなった時に、「やっぱり当初のコンセプトに戻ろう」という話になりました。

フィルも来るし、八村も来てガンガン教えていく。トライアウトの話も聞いていますし、今年は北は北海道の礼文島、南は種子島、さらにアメリカ、スペインで活躍している子どもたちもいます。そういう話をあらためて八村にしたところ、「KOBE CAMPからはい上がってSUMMITに来られるような子を見てみたい」となり、急きょ1枠だけ設けることになりました。

――最終的には、八村選手も乗り気になったということですね。

加藤 そうですね。最後は納得してくれました。最初は僕が提案したんですけど、「いやいや」という話だったんです。ただ、蓋を開けてみたら、本当に強者がかなり集まっていました。去年もそうだったんですけど、選手たちは本気ですよ。BLACK SAMURAI に出る意義というものが、だんだん浸透してきている気もしますね。

――昨年の反響もあり、中高生からの注目度も高まっているのではないでしょうか。

加藤 仰るとおりですね。どうやって連絡先を見つけてきたのか、事務局宛に直接売り込みが来るようになっています(笑)。今回は動画審査をするにあたり、ハードルをかなり高くしました。自分でちゃんとビデオを編集して、自己表現ができるプレーを入れ、自分のバスケットボールを表現してもらうというのが“お題”でした。それでも、BLACK SAMURAIのために自分のミックステープを作って応募してくれた方が数百名いました。ここに懸ける思いが、かなり大きくなってきたんだなと感じています。

■地元に“世界基準”を残す…選手だけでなく指導者にも刺激を

――地元・兵庫県の子どもたちがこのプロジェクトに触れられることには、地元クラブのバスケ関係者として、どのような価値や意味があると考えていますか。

九里 価値と意味は計り知れないと思っています。参加できない子たちもいるとは思いますが、彼らの地元で八村選手がこういう活動をしているというだけでも、本当に大きなことだと思っています。そして参加できる子たちは本当に幸せですし、そう感じてほしいです。

僕らが子どもの頃には田臥さんがNBAへの道を切り拓きました。そして今、八村選手はNBAで主力選手として活躍されています。そんな選手を目の前で見ることができて、さらに最先端のバスケットボールを知ることができるというのは、本当に大きな経験です。神戸という街で、このキャンプを開催していただけることに、本当に感謝しかないです。

また、兵庫県の指導者にとっても指導方法をアップデートする良い機会になると考えています。選手はもちろんですが、彼らに関わるコーチたちも進化しないと日本のバスケは強くならないと思っています。今回のキャンプで世界最先端の指導を目の当たりにすることで、兵庫県のコーチの方々にもいい刺激になればいいなと思っています。

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