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今夏の北海道インターハイ準々決勝の再戦というだけでなく、これまで高校バスケ界をけん引してきた強豪チームの対戦ということもあり、組み合わせが決まった時点から男子1回戦最注目カードと目されていたのが仙台大学附属明成高校(宮城県)と福岡第一高校(福岡県)の一戦。
大会2日目の12月24日、東京体育館で行われた「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会」第5試合には多くのファンが詰めかけ、メディア、関係者もコートを囲んだ。
スタートダッシュに成功したのは仙台大明成だった。しかし、福岡第一は慌てず立て直していく。そして迎えた第2クォーター、ディフェンスの強度を上げた福岡第一が仙台大明成の得点を「1」にとどめることに成功。最後は反撃にあったものの、76−65で振り切って福岡第一が2回戦にコマを進めた。
左足の骨折で9月末からチームを離脱していた福岡第一のエース、崎濱秀斗(3年)はこの試合で復帰。ぶっつけ本番となったが、「緊張はなかったのですが、やっぱり少し動きが硬くてチームの足を引っ張ってしまったので申し訳ないなと…」と振り返った。
仙台大明成について問われると、「ディフェンスが(夏に比べて)ハードになっていて、1年生の4番(小田嶌秋斗)も強くなっていたし、シュートの成功率も全体的に上がっていました。本当に苦しい試合でしたが、勝ち切れたことはよかったと思います」と、胸をなでおろした。
試合開始直後、仙台大明成にリードを奪われた場面では、「焦りはありませんでした。逆に我慢の時間帯だと思って、他のメンバーにも伝えていました。自分たちがやらなければいけないリバウドとディフェンスを徹底できれば自分たちの時間帯が来る。それをチームで共有できたことが逆転につながったと思います」とコメント。
「ハーフタイムに井手口先生(孝コーチ)に『明成は後半に強いから』と指示を受けていました」と明かした崎濱(秀)。第4クォーターに仙台大明成の猛追を受けた際には、「圧は感じましたが、そこで焦ったらチームとして狂ってしまうと思ったので。そこは自分でコントロールして。自分がボールを持ってチームを落ち着かせようと思っていたので、うまくできたと思います」と語り、約3カ月ぶりの公式戦であったにもかかわらず、ブランクを感じさせないくらい冷静に試合に臨んでいたことを明かした。
次戦の2回戦では関西大学北陽高校(大阪府)を破った北陸学院高校(石川県)との対戦が決まった。「明日からも強豪との対戦が続きますが、もう少し(プレーの)強度を上げていかないと厳しい試合になると思います」と気を引き締める。
「今年は(高校生活の)ラストイヤーなので、自分がやるしかない」
帰ってきたエースは頂点のみを見据えている。