2025.12.08
NBAにおける答えのない永遠のテーマ、GOAT論争。
Greatest of All Time(=史上最高の選手)の頭文字を取った選手や博識者、ファンたちによる十人十色の見解は、全者参加の多数決でも開催されない限り、終わりを迎えることはないだろう。
そのGOAT論争の頂点に君臨するのが、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)である。“バスケットボールの神様”の異名を持ち、2度のスリーピート(三連覇)、5度のシーズンMVP、10度の得点王など、その功績は枚挙に遑がなく、さらにそのカルト的な影響力によって、バスケットボールという文化を世界中に広めた。
そのジョーダン本人が、「NBC Sports」の『Insights to Excellence』において、GOAT論争について自身の見解を述べた。
「GOATという言葉は、僕がそれで一喜一憂するようなものでは決してない。僕にとっては存在しないものなんだ」

[写真]=Getty Images
「僕はオスカー・ロバートソンやジェリー・ウェストと対戦したことがない。本当に対戦してみたかった。実際、彼らから多くを学んできた。そして僕たちは、コービー(・ブライアント)やレブロン(・ジェームズ)のような選手たちへと続く道を切り開いた。僕にとって、それこそがバスケットボールの美しさなんだ。前の世代のあとに現れる選手が、さらにゲームを進化させていく。でも、その進化を、ゲームを教えてくれた選手や自分が学んだ選手に対して当てはめるべきではないと思う。そこが、僕が難しいと感じるところだ。全盛期の自分で、レブロンやコービーと対戦してみたかった。彼らとプレーしてみたかった。でも、それは永遠に分からないことだ」
ジョーダンの見解は、非常にニュートラルであり、全世代の選手を代弁しているように思える。同時に、その一字一句からはバスケットボール、そしてこのゲームを作り上げてきた全ての選手たちへの敬意が滲み出ている。

[写真]=Getty Images
その後、ジョーダンはレブロンのキャリアに敬意を示し、コービーやケビン・デュラントなど、バスケットボールを飛躍的に成長させた後輩たちのキャリアと貢献も賞賛。ただし、重ねて上下関係をつけることについては、疑問を呈している。
「うまくいかないし、決して分からないことで、問題を生むだけだ。ある選手たちは、自分の存在価値をバスケットボールの世代の中で見つけようとしている。だからこそ、それは常に敬意を持って扱うべきだと思う。守るべきだし、称えるべきだ。でも、それはカリーム・アブドゥル・ジャバーや、ウィルト・チェンバレン、そしてビル・ラッセルのような選手たちを、ある意味で忘れてしまうことにならないだろうか。ラッセルは11回も優勝しているんだ。どうやって彼らを隅に追いやって、『君たちのことは忘れていたよ』なんて言えるんだ? そこが、僕が理解できないところなんだ」
レブロンはチーム、個人での偉業は言うまでもなく、歴代最多得点記録と歴代最長キャリアを更新し続けている。選手、監督、そして引退後もバスケットボールの発展に貢献してきたラッセルは、NBA最大の功労者の1人であり、史上初めて全チームでの永久欠番を授かった。

[写真]=Getty Images
ラリー・バードは、2024年のオールスターゲーム前に、レブロンを守るような形でこのような言葉を残している。
「現役でいるうちに、その姿を楽しめ」
この言葉は、偉大な選手たちのプレーのみならず、発言からオフコートでのアクションまで、その全てを“ライブ”で楽しめるのは限られた期間であるということを再認識させてくれる。
そして、ジョーダンのGOATへ対する見解は、バスケットボールに優劣をつけるのではなく、“自分にとってのヒーロー”がいることへの喜びと、ゲームへの感謝を思い出させてくれる。
文=Meiji
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