2024.08.10
7月27日から8月10日にかけて開催される「パリ2024オリンピック競技大会」。4年に一度の世界一決定戦を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目選手をピックアップした。
文=牧野豊
NBAファンには説明不要だろう。ニコラ・ヨキッチはセルビアが生んだ不世出のビッグマン、直近4年でシーズン最優秀選手賞(MVP)に3回選出された現在のNBAナンバーワンプレーヤーである。
持ち味は、その万能性だ。211センチ129キロの高さと強さを生かしたプレーだけではない。アウトサイドのシュート力はもちろんのこと、ゲーム洞察力、トランジション時の脚力にボールキャリー技術、創造性に富むアシスト、効果的なディフェンスチェックなど、ゲームのあらゆる局面に絡み、コートを支配する。しかも個として絶対的な存在感を放つというより、チームプレーのなかで凄みを発揮しているイメージだ。今やポジションレスな選手が増えつつある近代バスケットボールの象徴的存在と言える。
1年目から存在感を発揮すると、4年目からはチームもプレーオフの常連に。ヨキッチ自身はその後も成長曲線を描き続け、2020-21シーズンにはついにシーズン最優秀選手に(MVP)に。翌21-22シーズン、そして今季と史上9人目となる3回のシーズンMVPを獲得するまでに至った。また、シーズンMVPを逃した22-23シーズンも、プレーオフではナゲッツの球団史上初のNBA制覇の原動力となりファイナルMVPを受賞している。
そのヨキッチがオリンピックのコートに8年ぶりに立つ。前回は21歳の時、NBA1年目のシーズンを終えて迎えた16年リオ五輪で予選ラウンドから全8試合に出場し、シックスマンとして1試合平均9.1得点6.0リバウンド2.4アシストで銀メダルメンバーとなった。
だが、目の前に立ちはだかったのはアメリカだった。その時は2回対戦しており、予選ラウンドではヨキッチが25得点をマークしチームも91-94と接戦を演じたものの、決勝では6得点に抑えられ試合も66-96と完敗を喫した。
何よりセルビアは昨年のFIBAワールドカップ準優勝チーム。決勝でドイツに敗れたものの、長期的な視点での休息を取るため欠場したヨキッチ抜きでも、チームとしての強さを見せつけた。ワールドカップで活躍したボグダン・ボグダノビッチ(アトランタ・ホークス)をはじめ、主力の多くは長年ともにプレーしてきただけにチームのケミストリーは醸成済み。ヨキッチの参戦は、プラスアルファでしかない。過去最高レベルに比肩すると言われるアメリカ代表と互角の勝負を展開できると期待を寄せる専門家も多い。
今やNBAナンバーワンプレーヤーとなったヨキッチが、8年前とは違う結果をセルビアに導き出すのか。大いに注目が集まる。
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