2024.08.30
パリオリンピックの金メダル獲得に貢献したアンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブス)は、溢れ出る自信と闘争心、そして歯に衣着せぬ発言で注目を集めることも少なくない。
最近では『Wall Street Journal』からNBAの過去と現在の比較について問われると、その大胆な返答が波紋を呼んでいる。
「当時の試合を観ていないから多くは語れない。昔は今よりもタフだったと言われているけど、当時はスキルのある選手がいたとは思わない。本物のスキルを持っていたのはマイケル・ジョーダンだけ。わかるだろ?だから、みんなコービー(・ブライアント)を見て『何てことだ』って衝撃を受けたんだ。でも、現役選手はみんなスキルを兼ね備えている」
この攻撃的な発言には、殿堂入りの偉人たちも反応。マジック・ジョンソン(元ロサンゼルス・レイカーズ)は「一度も優勝したことのない奴に私は反応しない」と学生時代に遡ってまでエドワーズのキャリアを皮肉り、ケビン・ガーネット(元ボストン・セルティックスほか)はフィジカルと得点効率の違いを挙げ、「ステップバックの3ポイントなんて撃てなかった。そんなクソみたいなシュートを放ったら絶対に決めなければいけなかった」と時代の違いに言及している。
現役選手の中にもエドワーズの発言が目に余ると感じている選手がいる。Podcastで存在感を増すポール・ジョージ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)は、自身の番組『Podcast P with Paul George』において、23歳の若き才能の口から溢れた意見について厳しく批判している。
「あれはバスケットボールに対して尊敬を欠く発言だ。とても未熟だと思ったよ。もちろん、アンソニー・エドワーズは非常に優秀な選手で、今後も大きな才能を発揮していくだろうが、ゲームがどれだけ成長したか、そして僕らより前にそれをやってのけた先人たちにどれだけ敬意を払わなければならなかったことか。これこそ、あの時代と彼の時代の違いだよ。今の世代はマジック(・ジョンソン)やラリー(・バード)のことをあまりよく知らない。でも、彼のコメントはどちらかと言うと、MJが今の時代の選手の動きに影響を与えたということを意味しているように思える。動き方、爆発力、運動能力、体をねじ曲げる能力とか、彼が言い表したかったのはこれらに関連することだったんじゃないかな」
エドワーズの発言はコートの外だけにとどまらない。試合中もトラッシュトークを仕掛けるシーンは散見され、昨シーズンのプレーオフでは自身が尊敬を公言するケビン・デュラントに対しても「年寄り」と発言。
これに対して、共にオリンピックでプレーしたドリュー・ホリデーはチームUSAにおける最大のトラッシュトーカーについて間髪を入れずにエドワーズの名前を挙げ、「100パーセントだ、間違いない。彼は素晴らしい選手だけど、悪口を言う姿をずっと見続けることになるだろうね」とコメントしている。
スーパープレーでも発言でも、話題に事欠かないエドワーズ。歳を重ねるにつれて棘が抜け、丸みを帯びる日はやってくるのだろうか。
文=Meiji
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