2021.09.22
2年ぶりのインターハイが北信越地域地区を舞台にまもなく幕を開ける。昨年の大会は新型コロナウイルスの影響により中止を余儀なくされ、今年の高校生プレーヤーのなかには夏の全国を知らない選手も、数多くいるだろう。そこでバスケットボールキングでは、かつてインターハイで激闘を繰り広げたBリーガーにインタビューを実施。当時の思い出とともに、彼らにとってインターハイがどのような舞台だったのかを伺った。
第二弾は信州ブレイブウォリアーズの岡田侑大。奈良県との県境に近い京都府南部で育ち、小学校時代にバスケットを始めた岡田は東山高校で2・3年次に夏の全国に出場した。そんな彼にとって、インターハイとはどんな舞台だったのか。前編では高校入学から2年次のインターハイまでの思い出を聞いた。
インタビュー・文=岡本亮
――まずはバスケットを始めたきっかけを教えてください。
岡田 もともと野球をしていたのですが、小学4年生の時に肩を痛めてしまって、バスケットをやっていた父親の影響で始めました。
――中学時代は京都府の井手町立泉ヶ丘中学校でプレーされていました。
岡田 奈良県に近い京都の田舎だったので、僕の時代は部員が10人いるかいないかくらい。5対5の練習もできないような状況でした。
――そんななかで東山高校に進んだ理由はなんだったのでしょうか?
岡田 大澤(徹也)先生と田中(幸信)先生のもとで成長したいという思いもありましたし、京都では洛南高校が絶対王者として君臨していたので、それをなんとか自分の力で破る選手になりたくて東山高校を選びました。
――では、スカウトのような形で誘われていたんですね。
岡田 そうですね。中学1年生の頃から冗談っぽくですけど、いろいろとしゃべっていましたし、その影響はあったなと思います。
――東山高校のどんなところに惹かれて入学を決めたのですか?
岡田 大澤先生は現役時代シュートが上手だったので、シュートを教えてもらいたかったというのが一つ。それと、田中先生はハーフコートバスケを教えるのがすごく上手な方だったので、ピック&ロールだったり基礎を学びたかったというのが理由です。
――中学時代から環境が大きく変化し、練習も厳しかったのではないでしょうか。
岡田 練習時間もやっぱり長かったですし、その中で練習に意味があって、それを一つずつ教えてもらえるので、1年生の時は分からない練習も一から教えてもらいました。もちろん時間はかかりますが、無駄にならないというか、理解してやってるのと理解しないでやってるっていうのは全然違ってくると思います。そういった意味でもしっかり理解して、一つひとつの練習に取り組めたことが、中学校との違いだと思います。
――高校時代は寮生活だったのですか?
岡田 そうですね。通えなくはない距離ですが、自主練を長くしようと思ったらやっぱり寮に入らないといけませんでした。それに(自宅が)田舎で電車がなくなってしまうので、時間に縛られるというのが好きじゃなかったということもあり、寮を選びました。寮生活は楽しかったですし、通うより楽だと思いました。
――1年次のウインターカップも予選で敗れ、次なる全国の舞台は2年生のインターハイ。地元・京都府での開催でしたが、やはり出たいという思いは強かったですか?
岡田 中学校の時に教えてくれた先生や、地元のチームメートも応援に駆けつけてくれるので気合も入っていましたし、『絶対に出ないといけない』という気持ちはありましたね。
――出場を懸けた予選では、洛南高校を破って48年ぶりに夏の全国に出場することが決まりました。
岡田 (洛南に勝った時は)うれしかったですが、京都からは2校出られたこともあり、『やってやった』という感覚はなかったかなと。
――ご自身にとって初のインターハイ、初戦は長崎西高校に102−75と大勝しましたが、岡田選手は4得点にとどまりました。
岡田 あまり記憶にないのですが、地元の友達が来てくれたということもあり緊張していたと思います。
――その後2回戦、3回戦と順調に勝ち進み、準々決勝では松脇圭志選手(三遠ネオフェニックス)や平岩玄選手(アルバルク東京)などを擁する土浦日大高校(茨城県と)と激闘の末、88−87で勝利しました。
岡田 土浦日大はバランスの取れたチームでした。平岩選手と軍司(泰人)さんというセンターがいて、(菅原)暉(群馬クレインサンダーズ)がしっかりコントロールして、松脇と(杉本)天昇(群馬)で点を取るというチーム。苦しい試合でしたが、地元開催というのが大きかったです。応援のおかげでリズムをつかめましたし、地元の力が大きいなと感じました。
――地元開催でベスト4。優勝を目指していたということもあり、悔しさは大きかったのではないでしょうか。
岡田 (準決勝は)向こうのリズムになってから歯止めが効かなかったというのが印象に残っていますし、悔しかったですね。
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