2025.11.02
ジャ・モラントとメンフィス・グリズリーズの間に緊張が走っている。
球団は11月2日(現地時間1日)、モラントに対して1試合の出場停止処分を下した。原因は「チームへの有害な行為があったため」とされている。現地メディア『ESPN』はその詳細を報じており、ロサンゼルス・レイカーズに敗戦後、トーマス・イサロヘッドコーチがチーム全員がいるロッカールーム内でモラントのリーダーシップと努力不足を指摘し、それに対してモラントが挑発的な口調で応じたためだという。
直後のメディアインタビューでも、モラントが不機嫌なのは明らかだった。出来については「コーチ陣に聞け」、イサロHCの発言は「ちょっとしたスピーチ」と揶揄。さらにプレーする喜びについては「ノー」と断言し、喜びを取り戻せるか否かについても言葉を濁している。
球団サイドは「モラントとチームの確執はない」と庇うが、同6日(同5日)のヒューストン・ロケッツ戦におけるモラントの“孤立”は隠しようがなかった。『BasketNews.com』によると、モラントとイサロHCはロケッツ戦でほぼコミュニケーションを取ることなく、タイムアウト中はベンチの端に座り、会話を交わしたのは第4クォーターのタイムアウト中だけだった。

グリズリーズのイサロHCとモラント[写真]=Getty Images
一つは、信頼を寄せていたスタッフや首脳陣の入れ替わりだ。グリズリーズは、今年春にテイラー・ジェンキンス前HCをシーズン終盤に電撃解雇。これにより、ジェンキンス政権を支えたスタッフたちも球団を去ることになり、特にグリズリーズのオフェンス設計に貢献していたノア・ラロッシュアシスタントコーチも退任するなど、モラントが心を開ける相手がいなくなったことを指摘している。
また、イサロHCの発言の根源には、モラントの効率悪化が起因していそうだ。モラントの今シーズンのプレーをデータで振り返ると、PER(プレイ時間あたりの効率性)でキャリアワーストの15.1を記録。これは昨シーズン比でマイナス4.0以上、キャリアハイの2021-22シーズン比でマイナス9.0以上の数値だ。さらに、3ポイントシュート成功率はわずか14.0パーセント、フィールドゴール成功率も49.0パーセントで、ともにキャリア最低。それにもかかわらず、ボール支配率やドリブル数などが上昇傾向にあり、チームとして結果もともなわないことから、指揮官はエースとしての責任を問うたのだ。
不穏な空気を受けて、メディアはトレードの噂を持ち出し始めた。モラントには素行不良による長期出場停止処分の“前科”もあるため、フロントが放出を決断し、ルカ・ドンチッチ級のビッグトレードを敢行しても不思議ではない。
関係修復か、決別か。今後数週間の動向に視線が集まっている。
文=Meiji
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