2025.11.24
ケンタッキー大学は、数々のNBA選手を輩出してきた言わずと知れたアメリカ屈指の名門校である。
時代を遡れば、マイアミ・ヒートの現球団社長であるパット・ライリー、2度のNBAチャンピオンであるラジョン・ロンド(元ボストン・セルティックスほか)らの母校であり、現役にもアンソニー・デイビス(ダラス・マーベリックス)やバム・アデバヨ(ヒート)などオールスター選出歴のある名手たちがそのリストに名を連ねる。
ここ数年はケンタッキー産ガードたちがリーグを席巻している。限られた席数のNBAにおいて、今シーズンは同校出身のガード7選手が平均20得点以上を記録。フランチャイズの未来を託されている選手も少なくなく、背負う責任の重さを大学別で換算すれば、他の追随を許さないだろう。

1年生ながらSEC優勝に導いたSGA [写真] = Getty Images
そのトップに君臨するのが、昨シーズンの王者でありMVPでもあるシェイ・ギルジャス・アレクサンダー(オクラホマシティ・サンダー)である。世代交代が著しい現在のリーグにおいて、ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)と並ぶリーグの顔であり、新しいキャプテン像とカリスマ性によって若年層からの支持は厚い。
2025-26シーズンは32.9得点6.7アシストをマークしており、フィールドゴール成功率54.5パーセント、3ポイント成功率42.3パーセントと、正確性と効率面でも脅威的な数字を残している。

ベンチスタートながらシューターとして光る活躍を見せていたブッカー [写真] = Getty Images
チーム成績こそSGAに軍配が上がるが、デビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)も実績と完成度の高さでは引けを取らない存在だ。キャリア11年目に突入したブッカーは、ビッグ3の解体によりいよいよ本質的にフランチャイズを担う選手となり、今シーズンは26.0得点6.9アシストを記録。純粋に点を取る能力であれば世界最高のシューティングガードの1人であることに疑いの余地はなく、その実力は2016-17シーズンに1試合70得点を記録した事実が証明している。アメリカ代表で先輩たちの背中から学んだことが花開くのは時間の問題だろう。
ジャマール・マレー(ナゲッツ)、ディアロン・フォックス(サンアントニオ・スパーズ)、タイラー・ヒーロー(ヒート)など、その他にもケンタッキー出身のガード勢がスターターを任されている。しかし、その中でもタイリース・マクシー(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)は紛れもなく、リーグ屈指のスーパースターの仲間入りを果たしたと言えるだろう。

大学デビュー戦で26得点をマークしたマクシー [写真] = Getty Images
マクシーは現在、平均32.2得点7.5アシストを記録し、シェイとルカ・ドンチッチ(ロサンゼルス・レイカーズ)と並び、得点王ランキングの3強の1人となっている。その成長曲線はジョエル・エンビード(セブンティシクサーズ)を凌ぎ、25歳にして球団のエースの座を獲得。また、得点のみならず、クリエイターとしての実力も申し分なく、ゲームコントロールとスマートな判断力にも定評がある。
その他にもシェンドン・シャープ(ポートランド・トレイルブレイザーズ)、イマニュエル・クイックリー(トロント・ラプターズ)、ケイソン・ウォレス(サンダー)、マリク・モンク(サクラメント・キングス)など、“ワイルドキャッツ”のガード陣はリーグの多方面で猛威を振るっている。
近年の成功を見れば、来年以降のドラフトでもスカウトたちはケンタッキー出身のプレーヤーを積極的にリクルートするだろう。
文=Meiji
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