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八村塁が攻守で躍動しレイカーズが連勝スタート…指揮官も絶賛する“勝負強さ”と“献身性”

プレーオフで連勝スタートを切ったレイカーズを支える八村塁 [写真]=Getty Images
ロサンゼルス在住ライター

 第4クォーター残り8秒、八村塁がリバウンドをつかみ取ると、ロサンゼルス・レイカーズのホーム“クリプトドットコム・アリーナ”は歓喜に包まれた。

 101-94。ウェスタン・カンファレンス1回戦、ヒューストン・ロケッツとの第2戦を制したレイカーズは対戦成績を2勝0敗とした。

 先に試合を終えたイースタン・カンファレンスのボストン・セルティックス対フィラデルフィア・セブンティシクサーズ、ウェスタン・カンファレンスのサンアントニオ・スパーズ対ポートランド・トレイルブレイザーズは、ともに1戦目をものしたホームのセルティックスとスパーズが敗れて1勝1敗となっていた。

「試合前にスパーズとセルティックスの試合を見ていて、チームで第2戦がいかに大切かという話をしていた。それは(今日の試合に向けての)僕らのモチベーションになった。JJ(レディックヘッドコーチ)は、1試合目で勝ったチームが2試合目でどのように苦戦していたかについて話し、僕らはそれを個人的に(自分たちの立場に)受け止め、試合に挑んだ。それがうまくいった」と八村は試合後、安堵の表情を見せた。

■攻守両面で体現した“アグレッシブな姿勢”

八村はディフェンスでも存在感を増している [写真]=Getty Images

「プレーオフでは攻防両面でしっかりプレーを成し遂げなければならない。シュートを決めなければならないし、ディフェンスもすべてしっかりやり抜かなければならない」

 前日にそう語っていた八村は、チーム最長の42分34秒プレーし、3ポイントシュートを3本決めるなど13得点5リバウンド2アシストの活躍。第1戦で3スティール、2ブロックショットした両カテゴリーでは記録がつかなかったものの、第1クォーター序盤には、好守でアメン・トンプソンのパスミスを誘い、その約1分後には、ゴール下に攻めるアルペレン・シェングンを体で止めて、シェングンからゴール下のトンプソンにパスが渡ると、今度はトンプソンを止めようとジャンプ。トンプソンから、再びシェングンへのパスが通ったが、シェングンのフローターが外れると、そのリバウンドを奪い取り、マーカス・スマートの3ポイントシュートにつなげるなど、動き回った。ハーフタイムを迎える直前には、左コーナーからゴール下に飛び込み、レブロン・ジェームズがシュートミスしたオフェンスリバウンドを奪う気迫を見せた。これこそが、レディックHCが昨シーズンから八村に求めていた “corner crashing(コーナーからリバウンドに飛び込むこと)” だった。

 試合前、ロケッツのイーメイ・ウドカHCは、レイカーズの攻撃の要であるルカ・ドンチッチオースティン・リーブスがケガでいない中でも、「シリーズに入る前から強調していたことは、2人の負傷以来ルーク・ケナードの数字が上がり、八村も数字が上がって、よりアグレッシブになったこと。(マーカス)スマートにおいてもそうだ。彼らは2人が欠場する前とは違う役割を果たしているが、よりアグレッシブになっている」と警戒していた。

 だが、その警戒を裏切るように、この2試合で50得点したケナード、この第2戦で25得点7アシスト5スティールを記録したスマートとともに、八村はビッグショットを重ねた。特に接戦に持ち込まれた第3クォーター中盤には、ジェームズからのロングパスを受けてオフに何度も練習を重ねた“キャッチ・アンド・シュート”で3ポイントを決めてリードを8点に広げ、同終盤にはジャクソン・ヘイズのスティールからのファストブレイクで豪快なアリウープダンクを叩き込み、9点リード。レイカーズが加点できず、ロケッツに4点差まで追い上げられた第4クォーター終盤にもケビン・デュラントに目線を隠されながらもステップバックで得意のミドルジャンパーを決めて6点リードとし、勝利への希望をもたらした。同残り2分23秒には、自らがパスを得てデュラントを引き寄せると、横でワイドオープンになったスマートにすかさずパス。3ポイントシュートを演出し、8点差にしてレイカーズを有利な状況に導いた。

■指揮官も絶大な信頼を寄せる勝負強さ

ドンチッチ、リーブスの不在をレブロンとともにカバーする [写真]=Getty Images

 シーズン中盤を前にスターターから控えとなったが、チームを助ける姿勢が変わることはなく、重要な場面ではコートに立つことがほとんどだった。ドンチッチとリーブスのケガによりスターターに舞い戻ったレギュラーシーズン最後の5試合では1試合平均16.6得点、5.2リバウンド、3ポイントシュート成功率61.1パーセント(18本中11本成功)を記録した。自己最多タイの68試合に出場した今シーズンの3ポイントシュート成功率44.3パーセントはリーグ5位で、1シーズンをレイカーズでプレーした選手としては、チーム歴代1位となった。

 レディックHCは試合前、八村の3ポイント向上について、このように語っている。

「彼は3ポイントシュートを自らの武器として受け入れた。単にシュートを打つことを武器にしているのではなく、ミッドレンジショットのための武器ともしている。実際、彼はNBAにおいてベスト・ミッドレンジシューターの一人だが、彼は一昨シーズンにキャリア最高のシーズンを送ったから、昨シーズンはミッドレンジを排除して3ポイントシュートにもっと比重を置くようにさせた。すると3ポイントシュートを決め、またもキャリア(トップ級の)シーズンだった。今シーズンは負傷者が続出したことや、今チームが抱える負傷者の状況から、効率的に得点できる彼のミッドレンジの必要に迫られている」

 リーグトップクラスのシュート力に加え、レギュラーシーズン終盤から一段とレベルアップしたディフェンス力が備わった八村が、この試合で勝負が問われた後半、37秒しか休まなかったことや、この1回戦で最初の2戦とも40分以上プレーしたことからも、レディックHCからいかに必要とされているかがうかがえる。

「(長いプレータイムも)シーズンを通して準備ができていた。長いシーズン、体を鍛え、回復にも努めなければならなかったし、リフティング(ウェイトトレーニング)などすべてをやらなければならなかった。でもそれは、今のこの瞬間、プレーオフのためだった。だから今のこの状態に感謝している。僕は、この瞬間のために頑張ってきた」と八村。

 第3戦は場所をヒューストンに移して25日(現地時間24日)に行われる。

 疲労はあるだろう。だが、今は何よりも、大切な時間を楽しんでいる。

文=山脇明子

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