2019.12.17
7月28日から8月2日にかけて鹿児島県で行われる「令和元年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。バスケットボールキングでは、“令和初”の高校チャンピオンを決する夏の全国大会を前に、今大会で見るべき注目選手をピックアップした。
1年生の冬から福岡第一高校の正ポイントガードを務める河村勇輝。彼が今大会のナンバーワンガードと言っても、異議を唱える者は少ないだろう。
アンダーカテゴリーの日本代表においても中心的選手として活躍する河村は、抜群のスピードとテクニックで相手をあっという間に抜き去り、広い視野から独特のタイミングでパスをさばいて味方の得点をアシストする。福岡第一が真骨頂の“えげつない”ファストブレイクを発動する際、河村は必ずと言っていいほど真ん中でボールを運び、相手に恐怖を与える。
彼の代名詞とも言えるノールックパスは会場のファンを大いに沸かせるが、チームメートいわく「ノールックに見えますけど、(パスを)出す前に1回、目を合わせて合図してくれるので結構取りやすい」とのことだ。余談だが、河村はコート外でも人気が高い。大会期間中は同世代のファンたちが「一緒に写真撮ってください!」と、隙きを見て河村に歩み寄る光景を何度も目にしてきた。
今年はゲームキャプテンとしてチームを引っ張る河村は、決してパスだけの選手ではない。自ら中へ切り込み、ダブルクラッチやファウルをもらって得点につなげ、「打った方が流れがよくなるので、思いきって打ってます」と、3ポイントも積極的に放つ。6月の「令和元年度 第72回全九州高等学校バスケットボール競技大会」決勝、福岡大学附属大濠高校(福岡県)戦では、5本の3ポイントを含む28得点をたたき出した。
インターハイへ向けての課題については「体力面の強化」と「体力が落ちてきてもシュートがぶれない安定力」の2点を挙げた河村。昨年は代表活動と重なりインターハイ出場は叶わなかったが、今年は万全の状態で鹿児島に乗りこんでくることだろう。
文=小沼克年
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