2026.06.05
日本時間6月4日から開幕した「NBAファイナル2026」が、全試合Prime Videoで配信されている。第3戦の現地ゲストに、お笑いコンビ・チョコレートプラネットの松尾駿氏に白羽の矢が立った。実は松尾氏は熱狂的なニューヨーク・ニックスファン。今回、ニックスが実に27年ぶりとなるファイナル進出を決めた夢の舞台へ、ファン代表として赴くことになった。
そんな松尾氏がNBAに深くハマった理由や、ニックスを愛してやまない背景を聞いていくと、当時の「ミラクル・ニックス」が大きな原体験になっていたという。まるで運命の糸に導かれるように聖地マディソン・スクエア・ガーデン(MSG)に向かう松尾氏のあふれんばかりのニックス愛。さらには今シーズンのニックスに対する熱い思いや、かつてのファイナルで激突したサンアントニオ・スパーズと再び相まみえる数奇な運命などを、たっぷりと語ってもらった。
取材協力=吉本興業、Prime Video
インタビュー=入江美紀雄(バスケットボールキング)
写真=兼子愼一郎

すでに心はMSGに飛んでいるかのよう [写真]=兼子愼一郎
――今回、ニックスが出場するファイナルの現地ゲストとしてお声がかかったとき、どのようなお気持ちでしたか?
松尾 オファーをいただいたとき、そこではまだニックスがファイナルに出るかどうかは分からなかったんですよ。イースタン・カンファレンスはクリーブランド・キャバリアーズとデトロイト・ピストンズがセミファイナルを戦っていて。ニックスのカンファレンス・ファイナル進出が決まっていました。ウェスタン・カンファレンスはオクラホマシティ・サンダーとサンアントニオ・スパーズがファイナルまで残っていたので、とにかくその3択の状況で「俺が行けるかもしれない」と震えました。「絶対にニックスに行ってほしい」と心から祈っていましたが、無事に勝ち上がってきてくれて、最高ですね。第8シードから這い上がった「ミラクル・ニックス」の時と同じカード(1999年NBAファイナル、ニックスvsスパーズ)が見られるなんて最高じゃないですか。こんなこと、一生に一度あるかないかの奇跡だと思っています。
――ご自身の口から「最高」という言葉が何度もこぼれていますね。今の率直な心境はいかがですか?
松尾 とにかく最高です! 今は他のどんな仕事をしていても、ずっと頭の中にNBAのことがあります。「俺はファイナルに行くんだ」という思いしかなくて、家に帰って奥さんと喋っていても、言葉が何も頭に入ってこないんです(笑)。ニューヨークでのファイナルのことしか考えられません。
――現地観戦は過去にも経験されていますが、やはりファイナルとなると特別感が違いますか?
松尾 全然テンションが違いますよ! オールスターゲームもすごいと思いますが、やっぱりファイナルですからね。それも、あのマディソン・スクエア・ガーデンで見られるなんて。ファイナルが行われるのも27年ぶりのことですから。
実は以前、ロサンゼルスへ仕事で行ったときに初めてアメリカでロサンゼルス・レイカーズの試合を見たんです。「うわ、生で見るとこんなに違うんだ」と衝撃を受けて、絶対にMSGにも行きたいとずっと思っていましたが、なかなかタイミングが合わなくて、一度は諦めたりもしたんです。本当は今年の10月の開幕に合わせて休みを取り、見に行こうかと計画していたところでした。そしたらこんな最高のオファーをいただいて・・・・・・もううれしくてしょうがないです。
――そもそも松尾さんがNBAに深くハマった一番のきっかけは何だったのでしょうか。最初からニックスファンだったのですか?
松尾 実は、最初に好きになったチームはミネソタ・ティンバーウルブズなんです。中学生のときにNBAを見始めて、ちょうどアレン・アイバーソンやコービー・ブライアントのルーキーシーズンでした。マイケル・ジョーダンもまだ現役でプレーしていましたね。当時の僕はステフォン・マーブリーがすごく好きで、ケビン・ガーネットなども応援していました。高校生の時には、東京ドームで開催されたNBAジャパンゲームズヘミネソタ・ティンバーウルブズ対サクラメント・キングスの試合を見に行ったほどです (1999年11月6日・7日)。
でもその後、マーブリーがチームを出ていってしまったり、トム・ググリオッタがいなくなったりして、ウルブズに少し魅力を感じなくなってしまった時期がありました。
――そこからどのようにしてニックスへ移り、愛を深めていったのでしょうか?
松尾 そのころ、テレビのBS放送などでよく見ていたのがニックスの試合でした。当時のニックスにはパトリック・ユーイング、ラトレル・スプリーウェル、アラン・ヒューストンがいて、中でも僕はジョン・スタークスがすごく好きだったんです。1997年ころからマイアミ・ヒートとプレーオフで連続して当たって、毎年のように乱闘になるくらいのバチバチのライバル関係でした。あの荒々しい感じが、見ていてすごくワクワクしたんです。アンソニー・メイソンなどのヤバい選手たちもいて、ちょっと体が当たっただけで乱闘になって、人をひっくり返すのが当たり前みたいな時代でしたから(笑)。そんなニックスのタフな姿や、スタークスのかっこよさ、ユニフォームのカラーリングなど、いろんな要素が重なってどんどんニックスに惹かれていきました。
――今回、その愛するニックスが27年ぶりとなるファイナルの舞台に戻ってきました。松尾さんにとっても約30年越しの夢が叶う瞬間ですね。
松尾 MSGはバスケットボールファンにとって聖地と言っても過言じゃありません。あのジョーダンも「マディソン・スクエア・ガーデンでプレーするのが好きだ」と言っていたほどですから。そんな歴史ある特別な場所で、待ちわびたニックスのファイナルを見られるのは本当にうれしいです。

エースのブランソン(左)を中心にニックスは勝ち上がってきた [写真]=兼子愼一郎
――今年のニックスの戦いぶりについて、ファンとしてどう見ていますか?
松尾 絶好調ですよね。個性的なメンバーがそろっていて、2年ぐらい前まではジェイレン・ブランソンが調子を落とすと勝てないことも多かったり、ブランソン頼みで彼が最後にケガをしてしまったりということもありました。でも、今はベンチメンバーも熱いです。ブランソンだけじゃなく、ジョシュ・ハートなど「日替わりヒーロー」が次々と出てきているので、優勝するならまさに今年かなという期待感があります。
それに、ビラノバ大学時代からのチームメートのブランソンにハート、ミカル・ブリッジズが集まってNBAで共に戦っているというストーリーも素晴らしいですよね。さらに言えば、ブランソンのお父さん(リック・ブランソン/現ニックス アシスタントコーチ)が前回のファイナルに出場していたというのも、すごく面白い要素だと思います。もし親子でニックスの優勝を成し遂げたら、これは相当熱いドラマになりますよ。
――対するウェスタン・カンファレンスの王者・スパーズには、圧倒的なパフォーマンスを見せるビクター・ウェンバンヤマがいます。
松尾 サンダーとの第7戦も見ていましたが、一進一退のすごい試合でしたね。ウェンバンヤマはとんでもない距離からシュートを決めたりして。ファイナルに上がってくるウェンバンヤマはやっぱりすごいなと感じました。ただ、スパーズは彼以外の選手たちも本当に上手いんですよね。
僕の中では、かつてニックスと対戦したころのティム・ダンカンも、キャリアの浅い時期からチームの中心としてドンと構えていた印象があります。当時のスパーズにはデビッド・ロビンソンもいましたが、すでにダンカンのチームになりつつありました。今のウェンバンヤマの姿と、当時のダンカンの姿が重なる部分があって、こういうところにも深い運命を感じてしまいますね。
――待ちに待ったMSGのアリーナへは、どんなファッションや格好で行く予定ですか?
松尾 どう考えてもニックス寄りの格好で行くことになりますよね(笑)。スパーズが素晴らしいチームだとリスペクトしていますが、中立の立場で見るなんてどう考えても無理です(笑)。
ユニフォームは誰のものを着るか迷いますね。ブランソンもいいですが、ジョシュ・ハートも悪くない。今のニックスの背番号3番はハートですが、27年前の3番は僕が好きだったスタークスなんです。だから一応、当時のスタークスのユニフォームは日本から持っていこうと思っています。もしアリーナにレジェンドとしてスタークス本人がいらしたら最高じゃないですか。ワンチャンあるんじゃないかなと期待しています。あとは現地に行って、クレジットカードの限度額いっぱいまで使ってグッズを買い漁りたいですね(笑)。アブダビ観光のスポンサーワッペンが付いたユニフォームや、今年のファイナル仕様になっている限定アイテムなんかは、絶対に帰り際までに買いたいです。
――このシリーズのキーマン、そしてMVPを予想するとしたら誰になりますか?
松尾 やっぱりブランソンになるんじゃないですかね。彼が活躍しないと、このドラマは完結しないような気がします。シリーズが長引いて7戦フルで戦うとしても、ブランソンがどこかで何発か爆発してくれないと勝てるような相手ではないと思うので。まずはエースの彼に注目しています。
一方で、カール・アンソニー・タウンズにも頑張ってもらいたいですね。彼もここでチャンピオンリングが絶対に欲しいはずですし、キャリア的にも今が最高の状態で、最高のチームにいると思いますから。ニックスとしては、ブランソン、タウンズ、ハートのディフェンスからしっかりとリズムを作って頑張ってもらいたいです。そしてMVPもブランソンに獲ってもらって、お父さんとの親子のドラマを見事に完結させてほしいですね。
――最後に、今回のプライムビデオの配信をきっかけに初めてNBAファイナルを観るファンや、日本のバスケファンに向けてメッセージをお願いします。
松尾 試合の専門的な解説は、佐々木クリスさんたちがしっかりやってくださると思うので、僕は「NBAファン代表」として現地へ行くつもりです。僕自身が本気で楽しんでいる感じを、一緒に見ている皆さんにも楽しんで伝わればいいなと思っています。
マディソン・スクエア・ガーデンの熱狂ぶりは、日本の方にはなかなかイメージしづらいかもしれません。しかも27年ぶりのファイナルで、敵地で2戦戦ってニューヨークに戻ってきての最初の試合(第3戦)ですから、アリーナはとんでもないことになっていると思います。
それに、MSGの中だけじゃなく外の熱気もすごいんですよ。プレーオフが始まってから、みんながバスケに集中しすぎてニューヨークの犯罪率が下がったという噂を聞くくらいですからね(笑)。外のパブリックビューイングなどで盛り上がっているファンの熱気も肌で感じて、その興奮をそのまま日本に持って帰りたいと思います!

「現地で本気で楽しみたい」と語ってくれた [写真]=兼子愼一郎
■NBAファイナル2026
第1戦:ニューヨーク・ニックス 105-95 サンアントニオ・スパーズ
第2戦:ニューヨーク・ニックス 105-104 サンアントニオ・スパーズ
2026.06.05
2026.06.05
2026.06.03
2026.05.29
2026.05.27
2026.05.09
2026.06.06
2026.06.06
2026.06.06
2026.06.06
2026.06.06
2026.06.05