2024.08.17
長年スロベニア代表のリーダーを務め、NBAでも15シーズンを戦い抜いたゴラン・ドラギッチが、8月24日にスロベニアで引退試合“Night of the Dragon”へ臨む。
この試合にはスロベニア代表の“後輩”ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)をはじめ、セルビア出身のニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)とボグダン・ボグダノビッチ(アトランタ・ホークス)、ドイツ出身のダーク・ノビツキー(元マブス)らも出場するのだが、フェニックス・サンズ時代の元同僚でカナダ出身のスティーブ・ナッシュ(元サンズほか)も参戦する。
2008-09シーズンにサンズでNBAデビューを飾ったドラギッチにとって、ナッシュはキャリア初期の先輩でメンターでもあった。キャリア最初の約2シーズン半で共闘した期間、ナッシュはすでにMVPに2度も選ばれ、リーグ最高級のポイントガード(PG)としての地位を確立し、勝負どころでは危険なスコアラーと化してチームをけん引してきた。
そうしたなか、ドラギッチがサンズ時代の練習で印象に残っていることを笑みを交えてこう話していたと『BasketNews.com』が23日に報じている。
「今でも昨日のことのように覚えているよ。ピック&ロールをしていて、彼がアマレ・スタッダマイアー(元サンズほか)へバウンズパスを出した。あれは完璧なパスだった。(でも)アマレがファンブルして、ボールをキャッチできなかったんだ」
「そしたらスティーブは『今のはパスが悪かった。僕のせいだ』って感じだった。僕とLB(リアンドロ・バルボサ/元サンズほか)はお互いを見合って『あれはパーフェクトパスだったのに!』って話していたのにね。そこで分かったんだ。彼(ナッシュ)はチームメートたちへ快適に感じてもらい、自信を持ってプレーしてほしかったんだとね。あれこそまさにスティーブが持つベストな特性の1つだったんだ」
サンズ時代、アシスト王に5度も輝いたナッシュは“一緒にプレーしてみたい選手”として知られ、スタッダマイアーやショーン・マリオン(元サンズほか)らを最大限に生かしてきた。そのプレーメーキングは見事で、歴代有数のPGとしてNBAキャリアを終えた。

移籍後は対戦相手としてマッチアップしたドラギッチ(左)とナッシュ(右)[写真]=Getty Images
ドラギッチとナッシュがそろって出場したプレーオフは2010年のみ。この年はウェスタン・カンファレンス・ファイナルでコービー・ブライアント率いるロサンゼルス・レイカーズに2勝4敗で敗退。
ただ、サンアントニオ・スパーズとのカンファレンス・セミファイナル第3戦でドラギッチが爆発したこともハイライトの1つ。それまでの2試合でわずか4得点だった男は、第3戦の第4クォーターだけで4本の3ポイントシュートをノーミスで決め切るなど計23得点を荒稼ぎしてサンズの逆転勝利に貢献し、4戦無敗のスウィープでシリーズを突破した。
NBAキャリア15シーズンでレギュラーシーズン通算946試合に出場したドラギッチは、平均13.3得点3.0リバウンド4.7アシストをマーク。2013-14シーズンにオールNBAサードチーム、マイアミ・ヒート時代の2018年にはオールスターにも選ばれた。
スロベニア代表で着用した背番号3が永久欠番になった男は、NBAと国際大会の両方でインパクトを残してきたと言っていいはずだ。
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