2020.07.13

五十嵐圭や篠山竜青など名ポイントガードを多数輩出…Bリーグで活躍する北陸高校OB

北陸高校出身のBリーガー[写真]=B.LEAGUE
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 豊富な全国大会出場経験を持ち、“バスケットボールの強豪”と呼ばれる高校がいくつかある。才能豊かな中学生を迎え入れ、独自のメソッドやハイレベルな競争の中で鍛え、磨き上げ、次のステップへと送り出す。プロの舞台では、そうした強豪校出身の選手が数多くプレーしている。

 では、数ある強豪校はそれぞれどのような選手を輩出してきたのだろうか。各校のOBを現在B1リーグでプレーする選手たちを中心にピックアップし、紹介する本企画。第4回は数多くの名ポイントガードを輩出してきた北陸高校(福井県)を取り上げる。

●北陸高校出身のBリーガー

五十嵐圭新潟アルビレックスBB

[写真]=B.LEAGUE

 新潟県出身、1980年5月7日生まれ。1996年に北陸高校に入学し、1年次、2年次と夏のインターハイと冬のウインターカップで全国大会を経験した。3年次にキャプテンとして臨んだインターハイも全国大会出場を果たし、1回戦で柏木真介(新潟)擁する東海大学第四高校(現東海大学付属札幌高校/北海道)と対戦。熱戦を繰り広げたが、60-66で惜しくも2回戦進出を逃した。

 その後、五十嵐はキャプテンとしてチームを21大会連続のウインターカップ出場に導く。全国大会では、福岡大学附属大濠高校(福岡県)を相手にブザービーターで勝利を収めるなどして勝ち上がるも、準々決勝で鵜澤潤が在籍した市立船橋高校(千葉県)に敗れ、ベスト8で大会を終えた。

 高校卒業後は中央大学に進学し、2003年に日立サンロッカーズ(現SR渋谷)に入団。その後、トヨタ自動車アルバルク(現アルバルク東京)を経て、2010-11シーズンからは三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ(現名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)でプレー。Bリーグ初年度からは新潟に在籍している。

石崎巧琉球ゴールデンキングス

[写真]=B.LEAGUE

 福井県出身、1984年7月6日生まれ。石崎が入学した2000年、北陸高校はインターハイ、ウインターカップともに全国3位入賞。翌2001年もインターハイでは3位入賞、ウインターカップではベスト8と好成績を収める。石崎も下級生の頃からメンバー入りを果たし、全国の舞台を経験していた。

 3年次のインターハイは破竹の勢いで勝ち上がり、準々決勝で竹野明倫(現大阪エヴェッサAC)擁する福大大濠、準決勝で竹内公輔・譲次兄弟擁する洛南高校(京都府)を撃破。決勝では能代工業高校(秋田県)を67-60で制し、チームは14年ぶり2度目のインターハイ制覇を成し遂げた。ウインターカップでは、決勝で洛南高校にリベンジを許して準優勝に終わるも、石崎は大会ベスト5に選ばれた。

 卒業後は東海大学に進み、竹内譲次らとともにインカレ2連覇を経験。2007年に東芝ブレイブサンダース(現川崎ブレイブサンダース)に入団し、当時bjリーグに属していた島根スサノオマジックでのプレーを経て、2011年から2014年にかけてはドイツリーグでプレー。その後、2014-15シーズンに三菱電機で国内復帰を果たし、2017-18シーズンからは琉球で活躍している。

西村文男千葉ジェッツ)&山本エドワード信州ブレイブウォリアーズ

山本(写真右)は昨季までFE名古屋でプレー[写真]=B.LEAGUE

 西村は三重県出身、1986年9月24日生まれ。山本は1986年12月2日にフィリピンで生まれ、7歳で日本の鳥取県に移住してきた。2002年に北陸に入学し、1年次からともに全国大会の舞台を経験。2年次にはスタメンに定着し、インターハイでは福大大濠に準決勝で敗れ3位。ウインターカップはベスト16という成績を残した。

 2人が最高学年となった2004年、北陸はインターハイ決勝まで勝ち進み、福岡第一高校(福岡県)との接戦の末、惜しくも準優勝。ウインターカップでも決勝進出を果たし、佐々木優希(東京サンレーヴス)擁する能代工業に87-93と一歩及ばず準優勝に終わるも、西村は大会ベスト5に選ばれた。また、ウインターカップ終了後の2005年1月には、北信越ブロック代表としてオールジャパンに出場し、高校生ながらベスト8進出という偉業を成し遂げた。

 その後、西村は東海大学に進学し、卒業後は日立サンロッカーズ(現SR渋谷)に入団。2014年に千葉に加入し、現在も在籍する。山本は大東文化大学を経て、2010年に加入した島根に8年在籍。2019-20シーズンはファイティングイーグルス名古屋でプレーし、2020-21シーズンからは信州ブレイブウォリアーズに活躍の場を移す。

多嶋朝飛レバンガ北海道)&篠山竜青川崎ブレイブサンダース)&井手勇次(元バンビシャス奈良

井手(写真右)は昨季限りで現役引退[写真]=B.LEAGUE

 3人とも1988年生まれで、多嶋は北海道、篠山は神奈川県、井手は埼玉県出身。2004年に北陸に入学し(井手は8月に東和大学附属昌平高校から転入)、篠山は1年次からウインターカップに出場して全国大会を経験。2年次には3人そろって主力として活躍し、インターハイ、ウインターカップともにベスト8入りを果たした。

 3年次のインターハイは決勝まで勝ち進み、湊谷安玲久司朱(元横浜ビー・コルセアーズなど)や辻直人(川崎)、比江島慎宇都宮ブレックス)などを擁する洛南と対戦。接戦の中、多嶋が38得点を挙げるなど躍動し、98-91で4年ぶり3度目の優勝を飾った。インターハイ王者として臨んだウインターカップでは、決勝で再び洛南と相対する。試合は湊谷に40得点を許すなど苦戦し、82-104で敗れて準優勝。篠山は大会ベスト5に選ばれた。

 卒業後、多嶋は東海大学に進み、現在は地元の北海道でプレー。篠山は日本大学を経て東芝に入団し、現在も在籍。井手は早稲田大学からTGI D-RISE、島根、東京サンレーヴス、金沢武士団を渡り歩き、2019-20シーズンにバンビシャス奈良で現役引退を決断した。

野本建吾秋田ノーザンハピネッツ)&藤永佳昭千葉ジェッツ

[写真]=B.LEAGUE

 ともに兵庫県出身で、野本は1992年4月25日、藤永は1992年4月10日に生まれた。2008年に入学、1学年上には寺嶋恭之介青森ワッツ)が在籍していた。野本、藤永ともに1年次からメンバー入り。2年次には大幅に出場機会を増やし、インターハイ3位とウインターカップ4位入賞に貢献した。

 迎えた最終学年、藤永はキャプテンに就任した。インターハイでは田渡凌擁する京北高校(東京都)に3回戦で敗れるが、ウインターカップでは準決勝でその京北にリベンジを果たしたうえで決勝に進出。福岡第一との決勝にも68-60で勝利し、出場33回目、通算8度目の決勝でついに悲願の大会初優勝を果たした。エースとして活躍した野本は、大会ベスト5に選出された。

 卒業後、野本は青山学院大学に進学し、2015年に東芝に入団。2018-19シーズンからは秋田でプレーしている。藤永は進学した東海大学でインカレ優勝などを経験し、2015年にアースフレンズ東京Zに入団。その後、名古屋Dを経て、現在は千葉ジェッツに在籍。

満田丈太郎京都ハンナリーズ)&松本健児リオン(元バンビシャス奈良

満田(左)は今季から京都でプレー、松本(右)は昨季まで奈良に在籍[写真]=B.LEAGUE

 ともに神奈川県出身で満田は1994年4月18日、松本は5月30日生まれ。1年次から頭角を現した満田は、2010年のウインターカップ決勝にも出場して全国制覇を経験。2年次には松本もメンバー入りを果たすも、チームはインターハイ、ウインターカップともに初戦敗退と苦杯をなめる結果に。

 3年次のインターハイは、寺園脩斗三遠ネオフェニックス)やジュフ・バンバを擁して同大会を制する延岡学園高校(宮崎県)と3回戦で相対し、敗退を喫する。それでもウインターカップでは、高橋耕陽滋賀レイクスターズ)擁する札幌日本大学高校(北海道)などと激戦を繰り広げながらも、準々決勝を突破。準決勝で再び延岡学園と対戦し敗れるも、チームはベスト4入りを果たした。

 高校卒業後、満田は筑波大学に進学し、4年次に横浜ビー・コルセアーズと特別指定選手契約を締結。2018-19シーズンに加入した名古屋Dでは2シーズンに渡って在籍し、2020-21シーズンからは京都ハンナリーズでプレーする。松本は名古屋経済大学進学後、4年次に特別指定選手として西宮ストークスに加入。2017-18シーズンからは奈良でプレーしていたが、昨シーズン限りで契約満了となり退団。今後の動向に注目が集まる。

<そのほかの北陸高校出身Bリーガー>

(写真左から)大﨑翔太松山駿柿内輝心髙木慎哉中村ジャズ [写真]=B.LEAGUE

大﨑翔太愛媛オレンジバイキングス
松山駿ファイティングイーグルス名古屋
柿内輝心熊本ヴォルターズ
髙木慎哉アースフレンズ東京Z
中村ジャズ(元東京エクセレンス)

 柿内の1学年下が松山、そのさらに1学年下が大﨑や髙木、中村といった面々となる。柿内が3年次の2013年には、ウインターカップでそろってメンバー入りを果たし、ベスト8まで勝ち進んだ。松山が3年次は、インターハイこそ福大大濠に敗れ2回戦敗退を喫するも、ウインターカップはベスト16入り。大﨑らが3年次の2015年はインターハイ、ウインターカップともにベスト16という成績を残した。

 高校卒業後、柿内は中央大学3年次に特別指定選手として熊本ヴォルターズに入団し、現在も在籍。松山は2019年1月に富山に入団し、2020-21シーズンからはFE名古屋でプレーする。大﨑ら3人は、2019-20シーズンにそれぞれ特別指定選手としてBリーグ入り。大﨑は島根、髙木は東京Z、中村は東京エクセレンスに入団し、髙木は2020-21シーズンも同クラブでプレー。大﨑は期限付き移籍で愛媛オレンジバイキングスに加入することが発表されている。

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