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蜜月関係に暗雲か…ステフィン・カリーがウォリアーズとの決別を思わせる理由

2009年のNBAデビューからウォリアーズ一筋でプレーするカリー [写真]=Getty Images

 クレイ・トンプソン(ダラス・マーベリックス)の退団を皮切りに、一時代の終焉を感じさせるゴールデンステイト・ウォリアーズだが、近頃はステフィン・カリーにまつわる“最悪のシナリオ”が噂されている。

 カリーは2009年のNBAデビュー以来、フランチャイズプレーヤーとして球団と蜜月関係を築いてきた。しかし、最近、自身のInstagramのプロフィールから「Guard of the Warriors(ウォリアーズのガード)」という文章を削除。また、生涯ウォリアーズを宣言する一方、勝利に飢えていることを強調し、「僕自身のキャリアにとって最善の決断を下し続けるつもりだよ。最下位争いをし、そこに留まりたいだけという状況になったとすれば、それは辛いことだ」と球団にプレッシャーをかけた。

 敏腕フロントであるボブ・マイヤーズ氏の退任や、ジョーダン・プール(ワシントン・ウィザーズ)とドレイモンド・グリーン(ウォリアーズ)の確執から、ウォリアーズの球団力とムードはお世辞にも上昇傾向にあるとは言い難い。『Fadeaway World』はこのような状況を踏まえ、カリーの退団の可能性に言及。その望まぬ決断を下す理由として、5つの懸念材料を挙げた。

 カリーが残りのキャリアで望むものは、バスケットボール選手にとって最大の栄光である5個目のチャンピオンリングの獲得である。現役選手で最多タイとなる4度の優勝を成し遂げたカリーだが、5個目のリングを獲得すれば、マジック・ジョンソン氏やコービー・ブライアント(ともにロサンゼルス・レイカーズ)氏と肩を並べることになり、歴代最高のポイントガード議論において箔がつくのは明白である。

 何よりも、カリーはアメリカ代表として、「第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)」で未だ自身がキャリアの全盛期であることを証明した。1試合平均14.8得点を記録したが、決勝のフランス代表戦では24得点、準決勝のセルビア代表戦では36得点をそれぞれマークし、重要なゲームでチームハイという圧倒的な勝負強さを見せつけ、キャリアで唯一欠けていたオリンピック王者の称号を肩書きに加えた。国際舞台でのパフォーマンスはカリーが世界の頂点に君臨することの証明となり、直近の数年で再びファイナルの舞台に上がりたいという思いは一層強くなったことだろう。

 加えて、36歳という年齢もあって、球団の再建をのんびりと待つ時間は残されていない。ウォリアーズ一筋でキャリアを終えたいという思いは強いものの、球団への要求はもう一度タイトルを狙える即効性のあるロスター作り。また、現在のウォリアーズはタイトルコンテンダーと見なされておらず、ジョナサン・クミンガや新加入のバディ・ヒールドが他球団の“ビッグ3”に匹敵する活躍を見せるかは不透明である。シューターという負担のかかる役回りもある以上、内心はともにゲームを補完してくれるプレーヤーを熱望しているように思える。

 こうした状況を踏まえて、『Fadeaway World』はカリーがウォリアーズに明るい未来を描けていないと推測した。クミンガは一貫性に疑問がありオールスターから遠く、ブランディン・ポジェムスキーもまだまだ成長過程。たらればではあるが、ジェームズ・ワイズマン(インディアナ・ペイサーズ)を獲得した2020年のドラフト2位指名権を活かせなかったのは手痛く、現在のウォリアーズに若手からの底上げは期待しがたい。

 だが、球団のマイク・ダンリービーゼネラルマネージャーは若手選手の内部育成をチーム強化の最優先に見据えており、カリーの目標とは乖離がある。マイヤーズ氏時代では見受けられなかったこのようなすれ違いもまた、不穏な憶測を呼ぶ原因なのかもしれない。

 ウォリアーズのチーム作りとカリーの心情は今後、注意深く見守っていく必要がありそうだ。

文=Meiji

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