2023.04.20
2月23日、26日に行われる「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」のWindow6・イラン代表戦とバーレーン代表戦。トム・ホーバスHCはその直前合宿に20名の選手を招集した。そのなかでBリーグからは4選手がホーバスジャパン初招集となった。いずれ劣らぬ実力を誇る新戦力を徹底紹介する。
文=永塚和志
写真=Bリーグ
※諸情報は2月22日時点のもの
アメリカ・ワシントン州出身で、今年2月に帰化の認可が降りWindow6の日本代表候補となった。ワシントン州立大学卒業後、2017-18シーズンより当時B2だったファイティングイーグルス名古屋に加入。2018−19から2年連続で得点とリバウンドで平均20得点以上、10リバウンド以上を挙げるなど活躍し、2020-21シーズンよりB1・信州ブレイブウォリアーズへ移籍。インサイドだけではなく機動力とシュート力を生かしアウトサイドでも力を発揮する。
今シーズンは37試合の出場で12度のダブルダブルを記録している。3ポイントにも秀で信州に来てからの平均試投数は4.4本で成功率は36.6パーセント。信州に来てからのオフェンスリバウンド数は平均1.9本でセカンドチャンス創出でも貢献する。ホーバスHCのスタイルは自身に合っているとし、機能すれば相手にとって止められないものになると自信を示す。なお、大学時代の通算リバウンド数1015本は学校記録で、得点数1414点は同10位。
長距離シュートとフィジカルなプレーぶりが武器の安藤。今シーズン、アルバルク東京では田中大貴の故障というチーム事情もあり、前年から4点以上平均得点を伸ばすなど好調だ。1月には31得点をマークする試合もあって平均18.4得点。リーグの月間MVPに選出された。
以前よりもクイックに打てるようになった3ポイントでも手応えがあるようで、今シーズンの1試合の試投数は前年より約1.8本多い6.5本を放ち、得点効率を示すeFG%も同49.7パーセントから52.4パーセントへと数字を上げている。
ホーバスHC体制下での代表招集は21年11月のWindow1の時以来となったがシューターとしての「集中力は誰にも負けていない」「今、1番いい状態」と自信をのぞかせる。2019年のワールドカップでは本戦のメンバーに選出されるも、出番は少なく3ポイントは1本を決めたのみで、当人も「悔いが残る大会だった」と振り返る。一昨年の東京オリンピックも本戦選出を逃し、代表復帰へ懸ける思いは強いはずだ。
関東大学リーグ2部だった上武大で2年連続の得点王を獲得し、群馬クレインサンダーズで特別指定選手としてBリーグでのキャリアをスタートさせた細川。京都ハンナリーズから移籍した今シーズン、三遠で才能を開花させ、代表候補として初招集となった。
ボールをもらってすぐに放つことのできる3ポイントが売りで、1試合の平均試投数は今シーズン、前年から2本近く多い6.5本を記録している。チームメートで元日本代表の金丸晃輔からオフボールでのかけひきや体の当てかたなどを学んだことで3ポイント成功率を向上させた。今シーズンの3ポイント成功率40.7パーセントは現在リーグ9位で、eFG%も57.3パーセントと得点効率に優れるところも示している。
フィジカルを生かしたディフェンスも得意で、攻守で献身性が高く、オフェンスリバウンドに絡むことも増えている。2022−23シーズンは20得点以上の試合を3度記録し、2月5日の滋賀戦ではキャリアハイとなる3ポイント8本を含む29得点をマークするなど好調を維持している。
出場はなかったものの東京オリンピックのメンバーにも選出された日本人ビッグマン。琉球に加入した2021−22シーズン前に右ヒジを骨折し、長いリハビリを経て今月5日の富山戦で、プロデビューを果たした。
リハビリ期間中は地元ハワイで、元総合格闘技UFCの王者も通うジムでストレングス&コンディショニングに務めながらバスケに必要のない部分を削ぎ落とすことに成功。より運動能力が上がって、ダンクで有名なチームメートのコー・フリッピンと同等の跳躍力を手に入れたという。
2019年のウィリアム・ジョーンズ杯と2021年のアジアカップ予選で出場経験があり、後者では1試合の出場で3得点、3リバウンドを記録している。母親が日本人でハワイ育ち。バスケ以外ではバレーボールや野球をプレーし、バレーではユースおよびジュニアの米国代表になっている。プロ入り前は米・ポートランド大学とカリフォルニア大学デービス校大学院でのプレーを経験している。
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